炎上事例をもとに、原因と対策について紹介します。今回は、ネット告発により炎上してしまった企業のケースについて解説します。この炎上によって、企業のイメージは大きく下がってしまっています。同じような炎上にあわないためにも、原因と対策について知っていきましょう!
ネット告発で大炎上!企業の損害費用は数十億円にも…
この事件が起こったのは、ツイッターに投稿されたクレーム文からでした。某会社のカップ麺だとわかる写真とともに、
「カップ麺から虫でてきた!お湯入れる前でよかった」
などと書かれた投稿がツイッターに投稿され、あまりの衝撃に、一晩で10万回リツイート(シェア)され大きな騒ぎになりました。さらに、テレビや新聞などのマスメディアにも取り上げられ、大きな問題へとなってしまいました。某カップ麺の販売元企業は、すぐに投稿者のもとを訪れ謝罪をしましたが、某会社のカップ麺は、5万個を超える商品を回収することになり、損害費用は数十億円にも及びました。
カップ麺の企業は、過去にも異物混入のクレームを電話相談などでうけていましたが、今回のような大規模炎上にはいたりませんでした。SNSが世の中に浸透する前は、異物混入などの事件が起きたとしても、ネットやメディアで取り上げられることはなく、企業と個人の間で穏便に問題が解決していたため、多くの人が事件の事実を知ることがなかったためです。しかしSNSが普及した今、異物混入のクレームは、ツイッターなどで気軽に書き込まれ、世の多くの人が事態の全貌を知ることで話題となって、炎上につながったのです。
今回の異物混入事件が裏付けることは、SNSの普及によって、今まで見えていなかったクレームや事件が表面化し、小さなクレームでもすぐ炎上につながるリスクがあるということです。今まで企業側が、対応すべきではないと感じていた小さな課題や問題点でも、ユーザーたちは日々改善してほしいと願っているかもしれません。
ネット告発とは
個人の発言が、企業に大きな影響をあたえる「ネット告発」ですが、SNSの普及によってできた言葉とも言えます。その言葉の本質についてまとめてみました。
ネット告発は気軽にできてしまう
ネット告発は、不特定多数の人が見るSNSや、ブログなどに告発文を書くことです。本来告発とは、捜査機関である警察や検察に対して犯罪を報告することで、犯罪者に処罰を求めることです。ただ、告発するには捜査機関に直接行かなければなりません。さらに、告発内容によっては捜査機関が動いてくれない場合もるため、告発はかなりハードルの高い行動と言えます。
反対にネット告発は、SNSやブログに告発文を書くだけです。とても簡単に、気軽にできてしまうこともありネット告発の数は増えています。ネット告発は、SNSが普及した今企業にとっての新たな脅威といえます。
内容はクレームや愚痴がほとんど
ネット告発の内容は、本来の意味である犯罪を暴くためではなく、食料品の異物混入や、お店での接客トラブル、上司のパワハラ、公共マナー違反者などクレームや愚痴といったものがほとんどです。そのため、大きな問題ととらえ、事前対策をしている企業はほとんどいないのが現状です。しかし上記であげた炎上事例からもわかるように、ネット告発の企業への影響力はとても大きなものです。企業は、ネット告発を今後対策していかなければいけない課題点の1つとして考える必要があるのではないでしょうか。
ネット告発が起こるまで
上記に挙げた某カップ麺の事例だけではなく、2014年以降SNSの普及にともないネット告発による炎上は多くなっています。ネット告発が起こってしまう理由について3つ考えていきます。
改善してほしいために告発する
企業の劣悪な業務環境の現状や、商店の詐欺まがいな対応など、捜査機関に告発してもいいが、ハードルが高いため手軽にできるネット告発を使うことがあります。ネット告発された企業は、捜査機関から連絡をうけ業務環境が改善されたり、犯罪として摘発されることもあります。
愚痴やクレームがネット告発になる
お店での接客トラブルや、買った商品の破損など、ネット上に愚痴として書き込んだものがネット告発になることがあります。改善してほしいために告発するタイプのネット告発とは違い、愚痴やクレームを、他の人にも共感してほしいために書き込んでいるユーザーが多いため、投稿の目的が「企業に改善してほしいため」ではないのが特徴です。このタイプはネット上で影響力のある人の書き込みに特に起こりやすく、多くの人の共感を誘発するため、拡散性が高く注意が必要です。
面白半分で告発する
面白半分で、注目されたいためにネット告発をすることがあります。このタイプは他のネット告発と違い、証拠がない場合や、嘘をでっち上げる場合があり、告発者側が炎上の対象になってしまうことがあります。「多くの人に注目されたい」「ネット上で有名人になってみたい」といったような理由でネット告発をする人も多く、企業としては迷惑でしかありません。告発者側が炎上の対象になると、本名や住所などの個人情報が特定され、嫌がらせされるケースも多くありますが、嘘の情報で企業が炎上の飛び火をくらうケースもあり、とても注意が必要なネット告発の1つです。
企業として対応すべきこと
さまざまなネット告発のタイプによる炎上を、企業はどのように避けることができるのか、万が一炎上が起きた後の対策はどうすればいいのか、2つまとめてみました。
SNS監視システムを導入
SNSの炎上を避けるためには、早期にネガティブな情報やネット告発の根本を見つけ出し、炎上する前に対策することが重要です。ところが、SNSでは毎日何千万人という人が、たくさんの情報を投稿しています。その中から炎上の火種になりえるものだけを見つけ出すのはとても大変です。
そこでSNS監視システムを使うと、簡単にネガティブな情報だけを見つけることができます。例えば、出てほしくないネガティブキーワードを登録するだけで、SNSに投稿された内容の中から、登録したネガティブキーワードだけを抽出してくれます。システムによるSNS監視の導入により、炎上になりそうなネガティブ情報をいち早くキャッチすることで、炎上が起こる前に対策することができます。
SNS上で企業のファンを作る
宣伝やプロモーションのために使うSNSを、お客様とのコミュニケーション用途で使うことで、企業のファンを増やすと良いでしょう。
例えばエンドユーザーが、商品やサービスの使用感をSNSに投稿していたときに、企業がSNSを通じてエンドユーザーに直接お礼を言ったり、コミュニケーションを取る例があります。エンドユーザーと企業との距離感を近くしておくことで親近感、ファンを増やすことができますし、万が一炎上が起きそうなとき見方になってくれることがあります。SNSでエンドユーザーと通じ、企業のブランドイメージをしっかり持ってもらうことで、信頼感につながるのです。
さまざまなネット告発のタイプと、企業が対策すべきことについて分かっていただけたと思います。企業がかかえるSNSの課題や問題点の解決も、当メディアでは日々分析していますので、ぜひお気軽にご相談していただければと思います。
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