内定辞退率の推移は増加傾向!?増加する原因と対策方法

内定辞退率の推移は増加傾向!?増加する原因と対策方法

内定辞退率が上がってしまう原因となる6つのポイントと、内定辞退率を下げるための対策方法をご紹介します。

リクルートキャリアが調査した就職プロセス調査(2019年卒)によると、2019年に大学を卒業する就活生の内定辞退率は66.0%(2018年10月1日時点)となっており、調査を開始した2013年卒以降の最高値を記録しました。実際にこのような事態に苦戦している企業も多いと思います。
辞退する人の理由は様々ですが、面接時に「会社の印象が悪くなった」「ブラック企業なのではないかと感じた」などの不信感を抱いたことが大きな要因の1つとなっています。せっかく興味を持って応募してくれたのに、面接が原因で志望度が下がってしまったら悲しいですよね。

本記事では「面接」を入社希望者の視点から分析し、内定辞退率が増えてしまう原因について解説します。どうすれば内定辞退率を下げることができるのか、優秀な人材確保のために一緒に学んでいきましょう。

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入社希望者が面接で感じること

面接は企業と入社希望者のお互いの印象を決める大事な場面です。その場面で入社希望者は何を考えどんなことを感じているのかご紹介します。

面接の前と後で志望度は大きく変化する

エン・ジャパンが実施した2018年の調査によると85.2%の求職者が面接を受けて「この会社には入社したくない」と感じています。人材を探す目的で採用活動を行っているにもかかわらず、その活動の一環である面接が高い確率で入社意欲を減少させてしまっているのです。

面接後に志望度が変化した理由

面接時に不信感を覚えたポイントはいろいろありますが、多くの場合は面接官の態度や言動が原因で入社意欲が低下してしまっています。

採用担当者や面接官にとっては、何回も行っている面接の内の1回にすぎないかもしれません。しかし面接を受ける人は「採用してほしい!」という気持ちから、事前にしっかりと準備をして身だしなみも整え、万全の状態で臨んでいることを忘れてはいけません。
面接官の言動がそのまま企業のイメージにつながり、志望度に直結しているのです。

内定辞退率が上がってしまう面接の特徴6つ

前記のデータをもとに入社意欲がなくなり内定を出しても辞退されてしまう面接とはどのようなものなのか、実際によくある面接でのNG行為の特徴を6つ紹介します。ここで紹介するような面接は「ブラック企業なのではないかと感じる」など組織やそこで働く人への不信感につながります。

特徴1:面接官や採用担当者の対応や態度が悪い

身だしなみがだらしない、時間が守れない、言葉遣いが悪いなどの人としてのマナーを守れていない、疲れているような態度を取ることはNG行為です。入社希望者は面接官以外の社員と関わる機会が少なく、面接官の印象が会社のイメージに直結します。74.8%の求職者は「面接官の不快な態度・言動」が原因で面接後に入社志望度が低下していて、もっとも内定辞退率の増加につながりやすいポイントとなっているのです。

次のような行動は全て入社意欲の低下につながりますので気を付けましょう。

■書類選考を通過したはずなのに、履歴書に書いた内容をまったく知らなかった。

面接官はずっと下を見たまま、一度も目が合うことがなかった。

■面接官のスーツがしわだらけ、髪型もだらしがなかった。

■面接担当の役員らしき人が、過剰な上から目線で入社してからのことが不安になった。

✔check
ベテラン面接官は上から目線や傲慢な態度、経験が浅い面接官は書類ばかりを見る淡々とした質問などそれぞれ注意するべき点が違うようです。
また会社愛が強すぎると、ついつい自慢話が多くなってしまうこともあるかもしれませんね。

特徴2:求人情報との相違

求人情報を見て興味を持ったから応募したのに、実際に面接に行き全く違うことを言われたら内定辞退率が上がってしまうのは当たり前ですよね。実際に面接を受けた34%の人が「求人の情報と面接の話が違った」と感じています。
残業時間、年間休日、業務内容、雇用形態、勤務地などの記載をあいまいにしていることで認識の違いが生まれ不信感につながります。また企業のとってマイナスになるかもしれない情報についても、あやふやにすることは信頼を失うため求人情報には全てを明確に掲載しましょう。求人情報に良いことばかりを書いて一時的に応募者が増えても、実際に入社してもらえなければ意味がありません。

求人情報と実際の面接とのギャップから、入社希望者が不信に思うポイントには次のようなものがあります。

学歴不問と記載があったから応募したにもかかわらず、面接当日に採用に必要な条件を満たしていないと言われた。

■土日祝日は完全休みと表記があったが、面接時に出勤できないのかと問い詰められた。

■事務職として応募したが、業務内容を聞くと営業と変わらないノルマが課された外回りの業務だった。

■年間休日や賞与について募集要項に記載の内容を確認の意味で質問すると、面接官は全く知らず「多分それくらい」とはぐらかされた。

✔check
「学歴不問」「未経験歓迎」「土日祝日休み」「正社員採用」など求職者が喜ぶような情報を並べている企業や、その記載すら面接官が把握していないことが多いようです。

もし入社希望者が言うような記載をしていなかったとしても、誤解を招く表現やわかりづらい書き方があったかもしれません。発言の統一性は信頼を得るために必要不可欠なので、求人情報を掲載する担当者と面接官の間で認識の違いがないことを徹底しましょう。

特徴3:就職差別につながる質問

求職者の内29.8%もの人が就職差別につながる質問で不快な思いをしています。結婚の予定や恋人の有無、家族構成、家族の経歴など、必要以上にプライバシーに関わる質問は就職差別につながるため注意が必要です。また「女性だから○○」「〇歳だから○○」といった決めつけから入るような質問も差別と捉えられてしまうため不適切です。

就職差別につながる不適切な質問には次のようなものがあります。

就職差別につながる質問
参考:厚生労働省 大阪労働局「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」

特徴4:面接時に感じる社内の雰囲気が良くない

面接で来社した入社希望者はさまざまな部分から社内の雰囲気を察知し、内定辞退率に影響します。面接以外のちょっとした部分でマイナスのイメージを持たれてしまうのはとてももったいないですよね。取り繕うのは良くないですが、取引先やお客さんと同じように社外の人とのやり取りであることを忘れず、気持ちの良い雰囲気づくりを心掛けましょう。具体的に面接時にチェックされやすいのは次のような内容です。

■受付の担当者は目も合わせず、やる気がなさそうな印象で不安になった。

■トイレや廊下などでの社員同士の会話が、悪口や文句など気持ちの良いものではなかった。

■床や壁が汚い、ごみが落ちている、電気が切れているなど清掃が行き届いていなかった。

✔check
受付、トイレなどの社内共用部の雰囲気や面接会場以外の部屋、トイレ、廊下の清掃状況も入社希望者が入社を決める大事なポイントです。

面接官は入社希望者の細かいところから、人柄や性格を分析しようとすると思いますが相手もそれは同じです。会社の雰囲気を改善するには社内全体に協力を仰ぐことも重要なポイントとなります。

特徴5:記載した就業時間外の面接

求人情報内に記載した就業時間以外に面接を行うと、「この会社は残業や休日出勤が多い」と敬遠されてしまいます。また面接前後のやり取りでメールや電話をするときも同様です。採用期間の担当者は忙しく、そこまで配慮するのはなかなか難しいかもしれませんが、できるだけ就業時間内に面接、メールや電話などの対応をすることが賢明です。

特徴6:面接前後のやり取り

面接の日程決めや面接後の予定の連絡などがスムーズでなかったり、電話応対が雑だったりすると、もし面接で良い印象を持たれても、思わぬところでマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。実際に連絡を密にとり、細やかなフォローを徹底したことで内定辞退率が大幅に低くなったという実績を出している企業もあります。
こまめでスムーズなやり取りを心掛けましょう。

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内定辞退率を下げるための4つのポイント

面接が原因による内定辞退率の増加を防ぐために、担当者はどんなことに気を付ければいいのか4つのポイントを紹介します。

ポイント1:一方通行のやり取りにならないように配慮する

一方通行のやり取りにならないように配慮する

内定辞退率を下げるためには面接中もその前後のやり取りも一方通行のやり取りにならないよう意識する必要があります。
たとえば面接のとき、面接官側から一方的に話してしまうと入社してからも部下の意見を聞かないトップダウン型で評価もしてもらえないのではないかと不安に思う人が多いです。入社希望者の話も聞き、相手を理解しようとする姿勢を見せることで入社後の不安を軽減することができます。またたくさん質問をして相手の話を聞いているつもりでも、メモばかり取り相手の顔を見なかったために冷たい印象を持たれてしまうことも多いです。

自分に興味を持っている様子がなかった、話をあまり聞いてもらえなかったと感じたまま内定をもらっても「私のどこを見て採用を決めたのだろう」と不信感を抱かれてしまうでしょう。業務的なやり取りや用意された質問だけではなく、人と人との「対話」としてのやり取りを心掛けることが、内定辞退率を下げるカギとなってきます。

ポイント2:最低限のマナーを守る

最低限のマナーを守る

あいさつ、態度、身だしなみ、言葉遣い、メールや電話のやり取りなどでの印象は内定辞退率に直結しやすい大きな要因です。たとえ相手が学生や年下の人物であっても、高圧的な態度や上から目線の発言は言語道断です。特に転職者の場合は前職で人間関係に悩みなどがあり、会社選びのポイントとして重きを置いている人も多いです。
マナーの悪い面接官がいると、入社後の自分を想像したとき業務に集中できるような社内環境でないかもしれないと不安になります。マナーを守り、面接をお互い気持ちよく有意義な場所とすることで、働きやすい職場であることのアピールにもなるのです。

ポイント3:情報開示を怠らない

情報開示を怠らない

雇用形態や給与、福利厚生、業務内容など、1つもあいまいにすることなく情報を明らかにする必要があります。もし求人情報に詳細まで載せきれない内容があれば、面接の場できちんと補足して説明しましょう。入社希望者にとってマイナスになるかもしれない情報もあいまいな伝え方をせず、面接のときに理由やその背景を添えて説明することで信頼感のアップにつながります。

面接官によって伝え方に差が出ないようにレギュレーションを設けて統一することも効果的です。

ポイント4:社内全体に採用活動への協力を仰ぐ

社内全体にに採用活動への協力を仰ぐ

実際に面接官として入社希望者と接するのは、採用担当者だけではないと思います。よって役員やその他採用活動に携わるすべての社員に、同様の意識を持ってもらう必要があります。その意識を持たせることも採用担当者の重要な業務の1つなのです。

また「今日は何時から面接があるか」などは採用担当者以外把握していないとこがほとんどだと思いますが、面接の有無については最低限社内に共有し、面接を受けに来社した人からは誰もが会社の顔として見られている意識を社員全員が持っておく必要があります。

ネットのネガティブ情報も内定辞退率に影響

紹介した6つの面接の特徴から不信感を抱いた入社希望者が口コミとしてネット上に書き込む可能性も高いです。その口コミを見た人がいたらさらに内定辞退率が増加してしまうという負の連鎖につながることもあります。自社に対するネットの情報をしっかり把握しておくことは採用活動でとても大切なポイントです

ネットの口コミや評判の影響力

エン・ジャパンの調査によると75.2%の人が就職活動時の口コミサイトで評判を調べていることが分かっています。会社の内部から発信される情報よりも第三者目線で投稿された口コミはより信憑性の高いものとなっているのです。

このような情報にネガティブなものがあれば、瞬く間に拡散され企業イメージの大幅な低下を招きます。企業の評判が最もはやく、リアルタイムで反映されるネットの情報に耳を傾けることは採用活動においてとても大事なことです。自分の会社は大丈夫だと安心せず、一度ネットの口コミをくまなくチェックしてみると今まで見えなかった採用活動成功の糸口が見えてくるかもしれません。

対策や対応の方法は専門家に相談

もしネット上に自社に対する悪評やネガティブな情報が投稿されたのを発見したときは専門家に相談することが効果的です。「投稿削除の申請をする」「口コミに返信をする」などさまざまな対応方法があるため一歩間違うとそこから「ネット炎上」につながってしまうかもしれません。最近だと事前にネガティブな投稿がないか監視することができる専門家もいます。
レピュ研はそのようなネット上のトラブルの専門家ですので、「転職サイトの口コミが気になる」などお困りのことがあればぜひ一度ご相談ください!

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