5ちゃんねるの書き込みを削除するときの「2つの新しい削除依頼方法」「メールで削除依頼する詳しいやり方」について、知っておきたいポイントを解説します。
2017年10月1日、2ちゃんねる(2ch.net)から急に変わった「5ちゃんねる(5ch.net)」ですが、誹謗中傷の書き込みを削除する方法も一新しています。特に企業やグループ、医療機関などの法人による削除依頼方法は大きく変わりました。
今回は5ちゃんねるが書き込みを「削除判断する基準」と「法人が削除依頼するときの2つの注意点」について、徹底的にまとめています。メールによる削除依頼方法を知りたい方や、法人で5ch書き込み削除をしたい方、書き込み削除までの流れを知りたい方などは必見です。ぜひ一緒に5ちゃんねる(5ch.net)の問題を解決していきましょう!
目次
5ちゃんねるの削除方法は4パターン
2ちゃんねる(2ch.net)のときには無かった、2つの書き込み削除方法が加わっています。
依頼方法 | 削除依頼後 | オススメ度 |
---|---|---|
メールで削除依頼(New!) | 非公開 | ★★★ |
裁判所の仮処分決定 | 非公開 | ★★☆ |
5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求(New!) | 非公開 | ★★★ |
削除要請フォームから依頼 | 全体へ公開 | ★☆☆ |
パターン1:メールで依頼
5ちゃんねる(5ch.net)では「meiyokison@5ch.net」へメールを送ると、書き込み削除依頼が受付される仕組みになっています。2ちゃんねる(2ch.net)には無かった削除依頼の窓口です。受付される内容は次の4点です。
- 5ちゃんねる削除ガイドラインで削除対象となっているもの(2点)
- 5ちゃんねる削除ガイドラインで特殊な扱いになっている依頼者(3点)
- 警察へ相談中の方
- 裁判により削除命令の判決を受けた当事者の方
削除ガイドラインで削除対象となっているものは次の2点です。
- [個人の取り扱い(個人名・住所・所属/誹謗中傷/私生活情報/電話番号/メールアドレス)]
- [差別・蔑視]
また、削除ガイドラインで特殊な扱いになっているものは次の3点と定められています。
- [法人・団体]
- [個人・一群]
- [個人・二類]
パターン2:裁判所の仮処分決定
5ちゃんねる(5ch.net)の運営企業である「Loki Technology Inc.」を名宛人とする裁判所の仮処分決定が出たときは、5ちゃんねるは原則として書き込み削除に応じてくれます。裁判所の仮処分通告書を「meiyokison@5ch.net」に送るメールに添付して削除請求することで、依頼は完了します。
パターン3:5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求
5ちゃんねる削除体制には、認められた弁護士について次のように書かれています。
5ちゃんねる(5ch.net)が過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドをもった弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。
5ちゃんねる(5ch.net)が公式に認めた弁護士から、書き込み削除依頼があったときは、対応すると公言しています。ただし、5ちゃんねるに認められるための弁護士の条件や、すでに認められた弁護士が誰なのかなどは明かされていません。(2017/12 現在)
パターン4:削除要請フォームから依頼
2ちゃんねる(2ch.net)の頃からある、書き込み削除方法の1つです。2017年9月までは、2ちゃんねるで法人が書き込み削除依頼をするとき、一番使われていた削除依頼方法なのではないでしょうか。
5ちゃんねるでは、2ちゃんねると同じ仕様の削除要請フォームから依頼することができます。ただし、削除依頼したことが5ちゃんねる全体に公開されてしまう点や、「削除人」と呼ばれるボランティアの判断によって削除できるか決まる点などから「敷居が高い」「難易度が高い」「2次被害が起きるかも」といった意見が多く寄せられています。
2017年10月より、5ちゃんねる(5ch.net)の新しい削除体制になってから、削除要請フォームから法人による依頼は、ほぼ無くなりました。また、2ちゃんねる(2ch.net)のころから、法人の削除要請はほとんど受理されていませんでした。5ちゃんねるの新しい削除体制も同様に、削除要請フォームからの削除依頼は、おすすめできるやり方とは言えないでしょう。
5ちゃんねる削除のメール依頼方法
日本語に対応
5ちゃんねる(5ch.net)を運営する「Loki Technology Inc.」はフィリピンの会社ですが、メールで削除依頼をするときは日本語に対応しています。
本人確認のための資料が必要
5ちゃんねる(5ch.net)のメールによる削除依頼には、依頼した人の「本人確認のための資料」が必要になります。「meiyokison@5ch.net」に削除依頼メールを送るとき、一緒に添付する必要があります。なお「本人確認のための資料」とは、身分証のことであり「免許証」「パスポート」などの、氏名・住所・顔写真が入っているものが望ましいでしょう。
追加資料を求められるときも
例えば、犯罪歴や逮捕歴など、犯罪に関する情報を削除するときは、裁判所の仮処分決定文や、5ちゃんねるから求められた書類の提示など、追加の資料を求められるときがあります。ただ、5ちゃんねるから追加で求められる資料の一覧などは明らかにされていないため、事前に準備する必要はありません。
5ちゃんねるの削除判断基準とは
5ちゃんねる削除体制のページには「基本原則」「削除判断基準」が書かれています。
[基本原則]
- 表現の自由は最大限保障されるべきものである。
- ただし、表現の自由も絶対無制限のものではなく、他人の権利を侵害するものについては削除を行う。削除理由については具体的には明示しないこともあります。
- ただし、異議を申し立てる機会を与え審議の結果、削除された記事が再掲載される可能性はある。
[削除判断基準]
- 名誉
個人ないし法人の社会的評価を低下させる事実を摘示するもの。- プライバシー
人の名前(イニシャル等であっても、個人の特定)、住所、家族の名前、電話番号等の組み合わせで、個人のプライバシーを侵害していると判断できるもの。- 平穏に生活する利益
他人に危害を加えることを予告するもの。悪質な殺害予告については、掲示板上で公開することがある。- 社会に害悪が生じる現実的危険性がある情報
例えば、爆弾を製造する方法、薬物の売買をうかがわせる情報
どんな書き込みであっても、5ちゃんねるの[削除判断基準]に当てはまるものは、原則として削除対象になります。削除依頼を行うときは、今一度削除判断基準を見直してみるところから始めましょう。
5ちゃんねるの新しい削除体制と2つの注意点
2ちゃんねる(2ch.net)から5ちゃんねる(5ch.net)になってから、削除体制も新しくなりました。特に、個人に対する名誉毀損・プライバシー侵害に当てはまる書き込みは、裁判所の仮処分や、法的措置がなくても、迅速に対応するとしています。例えば、5ちゃんねる内で特定の人物から、個人が悪口を言われていたり、住所や顔写真・名前などを晒されて困っていたりするときは、すばやく対応してくれるといった具合です。
ただ、「法人や犯罪に関する情報」は厳しい削除体制が取られ、2ちゃんねる(2ch.net)に比べて、削除のハードルは高くなっています。
注意点1:法人は「裁判所で仮処分」が必要
企業やグループ団体・病院を含めた医療機関などの法人からの削除依頼は、原則裁判所の仮処分決定が必要になります。新しい依頼方法であるメールで削除依頼をしても、まず削除してもらえないでしょう。5ちゃんねるの新しい削除体制では「法人に関する情報の削除依頼は、原則として裁判所の仮処分を取得し、司法判断を待つことにする」としているためです。
ただし、企業に対する誹謗中傷や、団体に対する名誉毀損とは別に、所属している個人に対する書き込みは、メールで削除依頼をすることができます。削除したい書き込みが、法人か個人か見極める必要があります。
注意点2:犯罪情報は「裁判所で仮処分」が必要
一般個人の犯罪歴や逮捕歴についても、法人の削除依頼と同様に、裁判所の仮処分決定が必要となります。例えば、ニュースで報道された情報が5ちゃんねるに転載されたり、事件の容疑者として5ちゃんねるに書き込まれたりしても同様です。
なお、事実無根の犯罪履歴や、逮捕されたこともないのに「○○は逮捕されたことがある」などといった風評被害は、メールで削除依頼でき、迅速に対応してくれることでしょう。
5ちゃんねる仮処分決定を裁判所でもらうには?
5ちゃんねるの削除依頼に必要な「裁判所の仮処分決定」を得るためには、裁判所に「仮の地位を定める仮処分」を申し立てる必要があります。仮の地位を定める仮処分とは、「申し立てた人が現在感じている危険をなくし、将来も脅かされることがないよう防ぐこと」を指します。
個人で仮処分申し立ては可能?
仮処分申し立てを行うのは、一般個人でもできます。ただし、法律に関する知識や、申し立てに多くの時間を費やす可能性があるため、あまりおすすめできません。また、弁護士の方でも「仮処分申し立ては複雑で専門性が高い」と言うほど、素人はなかなか進めにくい問題のようです。
弁護士に仮処分申し立てをしてもらおう
法律にくわしい弁護士であれば、裁判所への仮処分申し立てはスムーズでしょう。ただし、5ちゃんねるの削除問題にくわしい弁護士や、ネット問題にくわしい弁護士でないと、費用と時間かかかってしまうことがあるので注意が必要です。
レピュ研では、5ちゃんねる(旧2ch)削除問題に詳しい弁護士のご紹介や、取引実績2,600社で蓄積したノウハウをもとに、対策方法を無料でご提案しています。お悩みのときは、お気軽に相談ください。
5ちゃんねる関連の仮処分判決までの期間と費用
仮処分の判決までは「2週間~3ヶ月程度」
仮処分申し立ての内容によりますが、早いと2週間程度で判決が出ます。通常、裁判所の裁判手続きのときは、判決がでるまで1~2年程度かかるのに対し、仮処分はスピート感があるのが特徴です。
仮処分の費用は60万円?
裁判所に仮処分申立を行うときは、個人や弁護士など関係なく、申立手数料として2,000円かかります。また、弁護士に仮処分申し立てを依頼するときは、着手金や報酬金などがかかり、解決までは60万円程度が相場のようです。
5ちゃんねるが認めた弁護士とは
5ちゃんねる(5ch.net)では、新たな書き込み削除方法に「5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求」といった方法があるとご紹介しました。ただ、認められた弁護士が誰なのか、どういった基準で認められる弁護士になるのかは明らかにされていません。また、検索エンジンで「5ちゃんねるに認められた弁護士」を調べても、とくに情報が出てこないのが現状です。(2017/12 現在)
5ちゃんねるで削除されたあとはどうなる?
削除依頼をした書き込みが削除されたあとは、スレッドに「あぼーん」といった文字が表示されます。レスが削除されたときは、もともとのレスが「あぼーん」というコメントに変わります。スレッドが削除されたときは、スレッドタイトルと、スレッド内が「あぼーん」といった表示に切り替わるようです。
5ちゃんねる削除以外の2つ有効的手段とは
5ちゃんねるの削除依頼には、弁護士に依頼して法的措置をとってもらう手段や、個人で裁判所に仮処分申し立てをおこなう手段など、敷居が高いと思う方が多いようです。
レピュ研では、5ちゃんねる削除の方法以外に、2つの有効的手段な手段をご提案しています。「削除以外に何か有効的な手段はないかな…」とお思いの方は、ぜひ参考にしてみてください。
手段1:5ちゃんねるキーワード対策
5ちゃんねるに書き込まれた誹謗中傷や風評被害は、第三者に見られなければ影響はありません。そのため検索した人が、5ちゃんねるに書き込まれている内容を見るまでの、導線を断ち切ってしまう手段もあります。
Yahoo!やGoogleで「会社名 5ch」「会社名 5ちゃんねる」など、検索結果と一緒に候補キーワードが出たときは注意が必要です。会社名で検索した人が、誹謗中傷や風評被害が書かれた5ちゃんねるのスレッドに流れてしまうためです。関連するキーワードとして「5ちゃんねる」を非表示にしてしまえば、検索した人が書き込みを見る可能性は少なくなります。
手段2:逆SEO対策
会社名・サービス名・個人名を検索したときに、事実とは違った誹謗中傷や風評被害が書き込まれた5ちゃんねるが出てきたときは要注意です。例えば、サービスの詳しい情報を知りたいと思った人が、ネガティブな情報まで見てしまい、イメージダウンや信用低下につながってしまう場合があるためです。
逆SEO対策とは、検索結果の1ページ目に、ネガティブなサイトが表示されないようにする対策のことです。削除以外の対策方法として、とても有効的です。「5ちゃんねるの書き込み削除が難しい」「検索結果のネガティブサイトを目立たせなくしたい」「弁護士に頼んで、裁判所で仮処分…?無理無理」こんな悩みを抱えた方は、逆SEO対策を検討してみるのも良いでしょう。
5ちゃんねる問題は一度専門家へ相談してみよう
5ちゃんねる(5ch.net)の新しい削除依頼方法「メール」のやり方や、5ちゃんねる削除は法人の場合「裁判所の仮処分決定」が必要なこと、など5ちゃんねる削除のノウハウを詳しく学べたと思います。2017/10から体制が一新した5ちゃんねる(5ch.net)ですが、誹謗中傷や風評被害の問題解決は、2ちゃんねる(2ch.net)と同様に難しい課題と言えるでしょう。