炎上事例をもとに、原因と対策を解説します。今回は、通販サイト運営の役員が、SNSで不適切な発言をして炎上したケースをご紹介します。
炎上後、通販サイトを退会する人が続出し、不買運動もおこっています。同じような失敗や炎上にならないためにも、原因と対策について知っていきましょう!
SNSで「低所得者」をバカにする発言で炎上
2018年3月某日に、2016年度の所得税に関するデータが発表されました。データによると、所得税負担者のたった4.2%である所得が1000万円超の人たちが、全所得税の中の約半分を負担していることがわかったそうです。
2016年に源泉徴収で所得税を納めた給与所得者は4112万人で、納税額は9兆418億円になります。このうち49.9%にあたる4兆5167億円分を、給与所得者全体の4.2%に過ぎない「1000万円超」の人たちが負担しています。#日経ビジュアルデータhttps://t.co/UjJxBOo8la pic.twitter.com/3oy8zWo3tj
— 日経ビジュアルデータ (@nikkeivdata) 2018年3月9日
このデータを見た某通販サイト運営役員のTさんはツイッターで、
「誰か、(所得税の)高額納税者党を作ってほしい。少数派を多数派が弾圧する衆愚主義じゃないか。」
などと、発言しました。※愚弄とは、多数のおろかものという意味です。
Tさんは、インターネット事業で功績を上げている方であり「所得が1000万円超の」高額納税者でした。しかし、この発言は、高所得者が低所得者をバカにする内容と受け取られてしまい、ネットでは、
「日々一生懸命働いて収めている税額の少なさを蔑まれるのは屈辱です」
「この発言は通販サイトを下で支えている多くの人達もバカにしているんですよ?」
などと、配慮のない発言に怒りの声があがり炎上になってしまいました。
広報担当者がTさんを擁護するが逆効果に
炎上後、Tさんからは謝罪の言葉はありませんでした。また、某通販サイトの広報担当者がツイッターで
「Tさんが叩かれている意味が全くわからん」
と発言してしまい、ネット上では
「某通販サイトの役員全員だめだ」
「わからないって、広報担当なのにどれだけ人に寄り添えてないんだよ」
などと、広報担当者の発言で炎上がさらに大きくなってしまいました。
サービスの退会報告をする人が続出
Tさんの炎上で、某通販サイトのユーザーが次に次にサービスを退会する事態がおこりました。また、ネット上ではユーザー同士で、退会するように呼び掛け合う「退会運動」まで始まっています。
「私は高額納税者ではありませんので某通販サイトを退会させていただきます」
「ヘイトスピーカーであるTさんの起用に強く抗議し、通販サイトを退会します」
「田舎暮らしなので、すごく活用していましたが、退会します。あの発言は許せません!」
炎上分析している中でも、ネットには数え切れないほどの退会報告が上がっていました。
通販サイトが炎上した3つの原因
原因1:通販サイトのユーザーを「バカにする」発言をしたため
某通販サイトのユーザーをバカにする発言をしたことが原因です。Tさんは低所得者をバカにするような発言をしました。しかし、某通販サイトは「ツケ払いができるサービス」として、すぐにお金を払わなくても、商品を受け取ることができるサービスを提供していました。このことから、ネットでは
「低所得者向けのツケ払いサービスを開始しといて、低所得者をバカにするとか何考えてんの?」
「所詮ツケ払いを使うようなユーザーをバカにしてるんでしょうね」
などと、間接的にユーザーを「バカ」にしたと、怒りの声が上がっています。
原因2:炎上した意味を理解せずに「擁護する」発言をしたため
炎上後に、某通販サイトの広報担当がTさんのことを擁護する発言をしたことが原因です。今回の炎上は「Tさんの発言が不適切である」と思う人が多くいたため炎上しました。その中で同じ会社の人間が「不適切発言を擁護するような発言」をしたことで、炎上参加者をさらに怒らせることになってしまいました。
原因3:謝罪がなかったため
炎上後の謝罪がなかったことが原因です。多くの人々が、サービスを退会し、抗議運動するほど大きな騒ぎになっていたにも関わらず、Tさんは謝罪を一切しませんでした。また、某通販サイトの広報担当者や、社長からの謝罪も一切ありませんでした。ユーザーからは「お客を無下に、反省しないサービスは続かない」と厳しい声が上がっています。
Tさんは「炎上」の常習犯だった
過去にも不適切発言で炎上していた
Tさんは過去にも、不適切な発言をしていました。Tさんはツイッターで
「生命保険に入り、水をためた洗面器に顔を10分つければ、すごい時給でお金がもらえます」
「憲法って、ただの紙の上に書かれた文章ですよね」
などと、不適切な発言をして何度か炎上をしていました。また、会社からも厳重注意をされていたそうです。
炎上マーケティングの大きな代償
Tさんは度々「炎上マーケティング」で、わざと炎上させていると発言しています。しかし、今回の炎上で某通販サイトのイメージは大きく下がり、ネットでは「不買運動」も始まっています。炎上により、Tさんと某通販サイトの知名度は上がったかもしれません。しかし、その代償がユーザー離れだとすると、大きな代償になってしまったのではないでしょうか。
今回の炎上から学ぶこと
ユーザーに寄り添った対応が必要
ユーザーに寄り添った「サービス」だけではなく、ユーザーに寄り添った「対応」をすることが重要です。ネットビジネスという環境下で、対人のやり取りが無くなると、ユーザーに対しての思いやりや、配慮が無くなってしまいがちです。ネットビジネスであってもユーザーとのやり取りが顧客満足度につながり、売り上げを左右します。サービスは、お客様がいて成り立つということを忘れてはいけません。
なぜ炎上した分からないままにしてはいけない
炎上した事実を放棄せずに、なぜ炎上したかを理解するのが重要です。なぜ炎上したかわからないままにしておくと「間違った対処」でさらに炎上させてしまったり、「同じような炎上」をおこしてしまったりする危険があります。「なぜ炎上したか」を理解することで「炎上への対処」を的確に行えるだけではなく「炎上への予防」にもつながります。
レピュ研ができること
レピュ研では、炎上による企業の評判やイメージの低下を防ぐため、予防策・対策方法を知ってもらい、全ての企業にレピュテーションリスク(評価低下のリスク)の重要性を伝えることを目的としています。
またレピュ研では、企業にレピュテーションリスクの意識を高めていただくため、多くの炎上事例を分析し一部を紹介しています。炎上事例を知ることで、同じような炎上被害にあう確率を大幅に下げることができます。「万が一の炎上!誰に相談したらいいのかわらない」「炎上してしまったときの対処方法を確立しておきたい」などの質問にも丁寧に回答いたします。お気軽にご相談下さい。
■SNSの企業公式がユーザーを煽るような発言をして炎上した事例を紹介!
>SNSでユーザーを煽る投稿をしたアプリ会社が炎上!
■SNSで炎上してしまったときの対処とは?
>SNS炎上の流れと炎上したあとの3つの対策方法
■大手口コミサイトが不適切な行動で炎上?その理由とは…
>ネット告発炎上で大手口コミサイトの評価が低迷?