ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
12月の炎上リサーチレポート
2020年12月に起こったネット炎上は計29件で、 分類としては法人の炎上が10件と最も多く、ユーザーに提供したサービスの内容や質に問題があったとして炎上に発展した事例が目立ちました。その他にも、企業のCMや公式HP内の文章が差別的であったことがきっかけの炎上も発生しています。今回のピックアップ炎上は、法人の炎上からスポーツ用品メーカーの事例をご紹介します。
在日問題を扱ったCMがユーザー間で議論になり炎上
あるスポーツ用品メーカーの在日問題を扱ったCMが、ユーザー間で議論になったことで炎上しました。公開したCMの内容と、 実際にTwitter上であがった意見は次のようなものでした。
【CMの内容】
日本の学校に通う女子学生3人が、人種差別によるいじめをスポーツを通じて乗り越える様子が描かれている
【好意的な意見】
・目を背けてはいけない問題
・今の日本を表した問題
・見えないところでCMのような差別に苦しんでいる人がいる
【批判的な意見】
・他国で起こっている差別の方が悲惨だが、日本人が主に差別をしているかのように表現されている
・日本人は外国人を差別する人種だと印象付けたいとしか思えない
・差別が日常的に起こっているかのように表現するのはおかしい
公開されたCMは、最終的に批判的な意見が大半を占める結果となりました。このCMの内容はアスリートの実体験に基づくものでしたが、Twitterで拡散が広まった際、その背景がうまくユーザーまで伝わらなったことも炎上の要因の1つと考えられます。また炎上後、企業として何も対応を行わなかったことで「CMは消さないのか」「炎上後の対応はないのか」など、さらに批判的な意見が上がってしまいました。
賛否両論が想定される話題を取り上げるリスク
今回ご紹介した事例は、様々な意見を持つ人がいる問題を題材として取り上げたことで発生しました。「差別」のような何世紀もの間世界中で問題視され続けている話題は、言葉の言い回し1つで情報の発信側と受け取り側との間でズレが生じ、 想定していたリアクションとはかけ離れた結果となってしまうこともあるため注意が必要です。炎上から企業を守るためにも、炎上しやすい話題やワード、社会情勢など、どのような情報発信に炎上リスクがあるのか確認しておくことをおすすめします。