炎上事例をもとに、原因と対策について解説します。今回はYouTuber(ユーチューバー)が炎上した4つの炎上事例を紹介します。
YouTuber(ユーチューバー)は、動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)に動画を投稿し、動画再生数に応じた広告収入でお金を稼ぐ人たちのことです。2013年ごろから10代の子供を中心に人気となり、今では小学生の将来なりたい職業上位にランクインするほど認知されています。ユーチューバーの作る動画は、モノを紹介したり、ゲームを実況したり、面白いことをするなど、観ている人をワクワクさせるようなものがメインです。しかし、他人に注目してもらうことを意識しすぎたせいで、迷惑な行為をする一部のユーチューバーが問題になっています。
そこで今回は、ユーチューバーが起こした4つの炎上事例をもとに、原因と対策について解説します。ネット動画投稿をこれからやろうとしている方や、すでに動画をアップしている方、動画制作をお仕事にしている方などは必見です。一緒に対策を考えましょう!
目次
ユーチューバーの4つの炎上事例まとめ
2016年初めから、注目動画を作るのに夢中になりすぎた人が、他人に迷惑をかける事例がネットニュースやテレビメディアで多く報告されています。ネット上でも批判が殺到し、炎上がたえない状況です。今回は、2017年後半の炎上分析で見られた、ユーチューバーの炎上事例を4つ紹介していきます。
事例1:食べ物を粗末にするユーチューバー
動画にインパクトを持たせるため、多くの食べ物を使い撮影したあと、食べずに残したり捨てたりするユーチューバーがいます。
「食べ物を粗末にしてまで、動画を撮りたいのか」
「食べ物のありがたみを今1度考えなおしてほしい」
ネット上では批判するよりも、非常識な行動に驚きを隠せない人が多くいました。倫理感に反するような食べ方や使い方は、物議をかもしだしています。
事例2:危険行為をするユーチューバー
理科の実験を連想させるような、ものを燃やしたり壊したりするユーチューバーがいます。
1つの事例で、「ノートをレンジで加熱すると書いた文字が消える」という動画を、子供たちに人気なユーチューバーが投稿しました。すると、動画を真似した小学生がボヤ騒ぎを起こし、一歩間違えれば大惨事につながる事件を起こしてしまったのです。ネットでは、危ないという声とともに、危険な行為を助長する動画を投稿するユーチューバーたちを、疑問視する人が多くいました。
事例3:人に迷惑をかけるユーチューバー
他の人がやらないような奇抜なことをしようとして、周りの人に迷惑をかけているユーチューバーがいます。
1つの事例で、「子供を突然誘拐する動画」をとって炎上したユーチューバーがいます。炎上したのは外国人ユーチューバーですが、被害者は日本人の親子でした。「目の前で子供が誘拐されたら、親はどうするか?」というドッキリ企画だったようですが、子供は泣き叫び、親は困惑している動画に、不愉快や怒りを訴える人が多くいました。
事例4:不道徳的な行為をするユーチューバー
注目動画を作ろうと夢中になり、不道徳的な行動をしてしまうユーチューバーがいます。
1つの事例で、あるユーチューバーが森の中で動画を撮影中、偶然亡くなった人を発見しました。ユーチューバーは、なんと亡くなった方とともに動画を撮影し、YouTubeに投稿したのです。動画を観た人達からは、
「亡くなった方に失礼だ!」
「人の死をお金にするのは如何なものか!」
ユーチューバーが過激な動画を作る3つの理由
YouTubeは、どんな内容の動画でも再生数が多ければ広告収入が入ります。そのため、どのユーチューバーも動画の再生数を上げることを目標にしています。しかし、なぜユーチューバーは、過激な内容の動画を作ってしまうのでしょうか。炎上分析の結果をもとに専門家として考察していきます。
理由1:炎上すると短期的に再生数が稼げるため
動画が炎上したとしても、短期的に再生数がかせげればいいと思っているユーチューバーがいる可能性があります。炎上すると一時的ではありますが、炎上した動画が注目されます。動画が炎上したとしても、再生数がかせげればいいと思っているユーチューバーがいるのではないでしょうか。
理由2:戦略的に幼児をターゲットにしているため
一部の動画では、幼児をターゲットにしているため、常識を持った大人たちからすると過激な内容になってしまうようです。
YouTube情報メディア「YouTube Ranking」のチャンネル登録者数と再生回数の分布データでは、キッズ向け動画を作ったほうが、チャンネル登録者数が少なくても、動画再生回数を増やせるという予測が立てられています。短期間に多くの再生数を稼ぐために、幼児向けに奇抜で突拍子もない動画作りをしている結果、過激な内容になっている可能性があります。
理由3:新しいコンテンツを生み出そうとしているため
話題や注目を集めている動画にひと手間加え、新しいコンテンツを生み出そうとする一方で、どんどん過激になってしまっているようです。
例えば「普段油で揚げないものを揚げてみる」という動画で、最初に揚げていたものは、「果物」や「お寿司」など食べ物だったのにも関わらず、どんどんと内容は過激になり、最終的には「ノートパソコン」を揚げてしまう動画を投稿しているユーチューバーがいました。「前のコンテンツを上回らないと!」という焦りで、歯止めの聞かなくユーチューバーたちが過激な行動に出てしまっているようです。
YouTube炎上の3つの特徴
特徴1:YouTube内からは炎上しない
YouTubeの動画閲覧ページには、動画に対してコメントできる欄があります。そのため、炎上するような動画には大量の批判コメントが殺到する事態となります。
ただ、YouTubeのコメント欄から炎上することは少なく、外部のSNSに批判コメントが集まりだし、動画コメント欄が荒れて炎上するケースがほとんどです。総務省のデータでは、YouTube利用者で動画コメント欄に書き込みをする人は、わずか2.3%というデータが出ています。最初からYouTube内で騒がれることはなく、外部のSNSで情報が拡散されたあと、一気に炎上するのがYoutube炎上の特徴です。
特徴2:炎上動画を削除しないユーチューバーもいる
YouTube炎上動画 | 広告収入 | イメージダウン | コピー動画作成 |
削除した場合 | ✕ なし |
○ 防げる |
✕ 作成される |
---|---|---|---|
削除しない場合 | ○ あり |
✕ 防げない |
○ 元動画へ流入 |
SNSやブログ記事などのコンテンツ炎上の場合、炎上となった火種を削除することが多いですが、YouTube炎上の場合は、炎上の火種となった動画を削除しないことがあります。炎上動画の削除は、メリットとデメリットが両方あるため、ユーチューバーによって対応が違います。
動画を削除した場合、動画についていた広告収入がなくなりますが「反省したんだ」と思われ、視聴者からのイメージが回復します。しかし、注目度が高い炎上動画は再生回数が稼げるため、動画がコピーされ、コピーした人に広告収入が入ってしまいます。
動画を削除しなかった場合、炎上で注目度が上がった動画は多く再生され、多額の広告収入を得られますが、視聴者からのイメージは下がり、人気がなくなります。ユーチューバーにとって人気はとても重要なため、動画が炎上してしまった場合、削除対応するユーチューバーが多いようです。
特徴3:ネット告発で間接的に炎上する
動画からではなく、動画を撮影しているユーチューバーの迷惑行為を、一般人がネット告発し炎上することがあります。
例えば一般の方が、ユーチューバーの動画撮影を見つけたとき、
「レストランで非常識なほど騒いだ人たちがいた。大量に食べ物を粗末にしていた」
などとネット告発し、炎上する事件がありました。ユーチューバーの動画自体は、炎上するような内容でなくても、撮影しているときに周りに迷惑をかけてしまい、炎上することもあります。
炎上後のユーチューバーの悲惨な末路とは
一度大きな不祥事を起こし、炎上したユーチューバーの中には、個人情報を特定され、誹謗中傷や嫌がらせを受けている人がいます。住んでいる住所に、着払いでさまざまなものを送りつけられたり、無言電話や暴言電話がかかってきたりしています。ユーチューバーは素顔で活動しているため、炎上してしまうと、外を歩いているだけで誹謗中傷や嫌がらせを受けることもあり、普段の生活にも支障をきたしているようです。
ユーチューバー個人としてできる対策
対策1:チャンネルに独自のルールや注意項目を記載しよう
大手ユーチューバーのように、自分たちの動画チャンネル概要に「動画を見るにあたっての注意事項」や「真似して事故や問題が起きても責任は取れない」など、視聴者にむけて注意喚起をしておきましょう。再生回数がいくら少ないユーチューバーでも、「自己の社会的ルールや道徳観、倫理観の啓蒙活動」としてしっかり提示し、自分自身でも忘れないようにしましょう。
対策2:過激と感じるラインを超えないようにする
他人と違う注目されるような動画を作るために、迷惑や不愉快になるギリギリの動画を作り炎上してしまうユーチューバーが一部います。面白いと思うラインを超えてしまうと過激になり炎上してしまいます。動画を作るときは、過激と感じるラインを超えないようにもう一度確認しましょう。
対策3:自分の行動に分別をつけよう
「人気なユーチューバーがやっているから平気!」といって、迷惑行為に同調してはいけません。自分の行動やルールが常識に反していないか確認することが大切です。
一度炎上してしまうと情報はネット上に半永久的に残り続け、のちに進学や就職などにも悪影響していきます。今一度自分の常識を疑い、未来を考えた行動を心掛けることが大切です。
対策4:ネットリテラシーを高めて炎上を回避しよう
ネット炎上するまでの経緯を知り、炎上を起こさないようにしましょう。レピュ研では、YouTubeの炎上事例だけでなく、SNSや他メディアの炎上事例を日々分析しています。意外性のある炎上や、予想できないような炎上まで、いろいろな炎上事例と対策法を提供しています。また、月ごとにレポートとしても公開していますので、合わせてお読みください。
その他にも、ネットリテラシーの基礎と、最新の炎上事例を学ぶセミナーを開催し、多くの企業様にネット炎上の予防策をお伝えしています。教育機関での炎上リテラシーセミナーなども開催可能です。詳しい内容などは、お気軽にご相談下さいね。
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>炎上に参加する人たちの正体とは?行動パターンと心理
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