本記事では「デジタルタトゥーの意味」「デジタルタトゥーによる悪影響」「有効的な対処方法」についてご紹介します。
テレビドラマが放送されるなど「デジタルタトゥー」という言葉に注目が集まっています。デジタルタトゥーとは、ネット上に公開された情報がその拡散力などから半永久的に残り続けるということを「タトゥー」に例えた造語です。公開した情報は若気の至りや間違いでは済まされず、当事者の人生を大きく変えてしまうかもしれません。
今回は「実際にデジタルタトゥーにはどんな影響力があるのか」「残ってしまった情報にはどのような対策が有効なのか」について事例を用いて解説します。「今デジタルタトゥーに困っている」「デジタルタトゥーについて、社員や学生・生徒に教育したい」という方は必見です!一緒に正しい知識を身につけていきましょう。
デジタルタトゥーとは?
ネット上に公開した情報は拡散されてしまうことなどから完全に削除することが不可能であると言われています。そのことを「タトゥー(刺青)」に例えた造語がデジタルタトゥーです。
残ってしまった情報がポジティブな内容であれば問題ないのですが、当事者にとって不利益になるような情報が残り続けてしまうことも多いです。内容は写真や動画、SNS上での発言、個人情報などさまざまで、ときに当事者の人生を大きく変えてしまうほどの悪影響を及ぼします。気軽に情報を発信できるインターネットだからこそ、細心の注意を払わなければならないのです。
デジタルタトゥーによる5つの悪影響
デジタルタトゥーはどんな悪影響を及ぼすのか解説します。
1:就職・転職への影響
企業によっては就職希望者の情報を徹底的に調べます。そこでネガティブな情報が見つかってしまい就職・転職先がなかなか決まらないことも少なくありません。また無事就職できても、就職後にネットの情報が知られてしまい職場に居づらくなり、退職を余儀なくされることもあるようです。
2:賃貸・ローン契約への影響
賃貸やローンの契約など、お金が関わるやり取りには「信用」が必要です。ネットに残った情報がたとえ事実ではなくても、相手はそのことを知るすべがありません。そのため賃貸やローンの審査が通らず、日常生活に影響が出てしまうことも多いです。
3:ネット上での誹謗中傷
デジタルタトゥーがきっかけで、事あるごとにネット上で誹謗中傷され続けてしまうかもしれません。実際にネットの誹謗中傷が原因で心を病んでしまい、それまでと同じような生活を送ることが難しくなることもあります。
4:交際・結婚への影響
デジタルタトゥーについて当人同士が気にしていなくても、家族や関係者の反対にあうかもしれません。
5:家族や身近な人への影響
紹介した4つの悪影響は、本人だけではなくその家族や身近な人にも起こり得ることです。そのせいで肩身の狭い思いをして生活することになるかもしれません。
デジタルタトゥーとして残りやすい情報
次のような情報は特にユーザーの興味を引き付けてしまうためデジタルタトゥーとして残りやすいです。
ニュースで報道された情報
犯罪歴や逮捕歴、迷惑行為、疑惑などをニュースで報道されてしまったものは残りやすいです。テレビの報道だけなら世間からすぐに忘れられるはずの情報も、ネット上に残り続けることで記憶に残りやすくなります。また大きく報道されてしまうと拡散元となるネット情報が複数になるため、把握しきれないほど広まっていると想定できます。
バイトテロなどの不適切な動画や写真
バイトテロや悪ふざけをして撮影した写真や動画もデジタルタトゥーとして残り続けます。もし投稿したときに「炎上」するほど話題にならなくても、どこの誰が見ているか分かりません。また、友達だけしか知らないはずの情報でもどこからか漏れ出し、時間が経ってから第三者に再投稿されて炎上したという事例も発生しています。
リベンジポルノ
性的・わいせつな写真や動画を公開されてしまうと、海外のサーバーまでも拡散されやすいです。その為情報の把握がさらに難しくなるだけでなく、たとえ弁護士でも国内で対応することが難しくなってしまいます。
ネット上で特定された個人情報
もしニュースで報道された情報、不適切な写真や動画が匿名で拡散されたとしても、ネット上ではすぐに個人情報を特定されて書き込まれてしまいます。特定するための材料となるのが、SNSのアカウント情報や過去の投稿です。特定された後は、Twitterや掲示板などを介して元の情報とともに拡散されてしまいます。
有効的な対処方法4つ
ご紹介したように、拡散された情報を片っ端から完全に削除することは難しいです。しかし、影響を最小限に抑えるために有効な対処方法はあるためご紹介します。
各サイトで決められた方法で削除申請
5ちゃんねる(2ちゃんねる)や爆サイをはじめとする掲示板やSNSには決まった削除申請の方法があります。情報によって被害を被った本人であれば、その方法に沿って削除申請することが可能です。削除基準は各サイトやサービスによって異なりますが、いずれにしても法令違反や権利侵害、利用規約違反などに該当する情報しか削除できない可能性が高いです。
弁護士に削除を依頼
本人以外からの削除申請は弁護士からのみ申請が可能です。自身で削除申請をして削除できなかった情報も、弁護士を通して法的手続きを踏めば削除できることもあります。ただこの方法は費用がかかる上に、すべての拡散先の情報は削除できないことが多く、いたちごっこになってしまう可能性もあるので注意が必要です。
逆SEO対策
問題のサイトの検索順位を押し下げることで、ユーザーがたどり着きづらくする対策です。問題のサイトに直接対策を行うわけではなく、優良サイトを上位に表示させることで相対的に順位を押し下げます。サイト自体は消えませんが、削除申請と違って民間企業でも行うことができる、再び問題サイトが上位表示することが少ないというメリットがあります。
検索エンジンのキーワード対策
情報が拡散された結果、Yahoo!やGoogleの検索エンジンのキーワードに情報が飛び火してしまう可能性があります。このキーワードを非表示にすることで、ユーザーの問題サイトへの流入経路を閉ざすことができます。
まずは早めに専門家に相談
早めの対処が有効です
情報の拡散は、今この瞬間も進んでいるかもしれません。時間が経ってデジタルタトゥーとして深く刻まれてしまう前に対策を行うことが有効な方法となります。