ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
3月の炎上リサーチレポート
2021年3月に起こったネット炎上の件数は24件でした。特に多かったのは一般個人の発言や投稿動画がきっかけとなった炎上で、計14件の炎上が起きています。法人関係の事例では、企業の公式アカウントが発信した内容が不適切であるととらえられ、炎上した事例が複数見られました。またシステムの不具合発生、発表した公式文書の内容などSNS外でのユーザーへの対応がきっかけとなり炎上へと発展してしまった事例も目立っています。
SNSに投稿した内容が性差別的だとして批判殺到
3月上旬、ある出版社の公式アカウントが国際女性デーに関するメッセージを投稿しました。内容は、
・日本のジェンダーレス化は国際社会に遅れをとっている
・女性の社会出身は「女性」だけではなく「社会のため」「男性のため」でもある
・「男女平等について意識を深める日」として書籍を紹介
というものでした。この投稿を見たユーザーからは賛否両論が集まり、SNS上で大きな話題になりました。
SNS上で集まった意見とは?
この出版社の投稿に対し、SNS上では
「国際女性デーに対する理解が足りない」
「女性のためといいつつ結局男性のため」
「皆のためと言うと聞こえはいいが、なぜ女性の社会進出まで「男性のため」とされなければいけないの?」
など、性差別、ジェンダーレスの動きに反する投稿だととらえられ、批判的な意見が集まりました。
しかし一方で、
「○○さん(出版社名)は社会進出の話しかしていない。落ち着いて読返して」
「女性の社会進出は一方的なものじゃなくて、みんなのためにもなるものではないか」
などと、企業側を擁護する声もあがりました。
このようなユーザーからの意見に対し、企業側は見解の発表等の反応を見せることはしていません。
発信する意図がきちんと伝わる内容か確認する
今回の炎上は、SNSに投稿した内容が企業側の意図しない伝わり方でユーザーに伝わってしまったことがきっかけで起こってしまいました。今回のようなジェンダー(性別)や人種に関する発言や情報発信は、発信者の意図とは異なる受け取り方をされ、批判・炎上に発展しやすい傾向にあります。
このような炎上を防ぐための対策としては
・情勢や世論、世間の感覚と大きく乖離がないような情報発信を心がける
・投稿前に複数人で内容を確認できるようにしておく
などが有効です。
また、万が一SNSの投稿内容が組織(企業)の認識と違った捉え方をされた場合には
・勘違いされるような表現があったことへの謝罪をする
・事象に対する組織(企業)の認識を補足説明する
など、ユーザーに即座に正しい情報や企業としての見解を届けるための体制を 整えておくこともその後のリスク防止として有効となります。
ぜひ皆さまのアカウントの運用体制についても、この機会に見直してみてはいかがでしょうか?