本記事では企業が記者会見で謝罪をする際、誠意を伝えて記者会見を成功させるための11の秘訣をご紹介します。
企業が記者会見を開き謝罪をする様子は、誰もが一度は目にしたことがある光景だと思います。そしてそれらの謝罪会見に対して不快感を抱いたり、企業に対するイメージが悪くなったりした経験がある人もまた多いのではないでしょうか。そのような記者会見の失敗は、ときに企業にとって致命的な傷となります。
記者会見での謝罪失敗のリスクを低下させるためには、どんなことに気を付けて会見に臨めばいいのか「6つの基礎知識」と「5つのNG発言」をご紹介します。万が一の危機発生時に備えて、成功させる秘訣を知っておきましょう!
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基本知識編
まず絶対に知っておきたい記者会見成功のための基本知識を6つご紹介します。当たり前のことと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれらすべてを徹底できている記者会見は少ないです。
1.情報を小出しにしてはいけない
事故や災害が発生した際の緊急記者会見の場合は、何度も会見を開いて状況を報告することが重要です。しかし、不祥事などに対する謝罪会見の場合は情報を小出しにして何度も会見を開いてしまうと、視聴者に対して「不祥事」という印象が根強く残ってしまいます。会見の回数はできる限り少なくすることで、収束までの期間を短くする効果があります。
2.質問に対しては目を見て話す
冒頭のスピーチや謝罪、見解についてはまっすぐ前を見て話すのが正解ですが、記者から飛んできた質問に対してはしっかりとその記者の目を見て答えましょう。このときにカメラを見ていたり、目線が泳いだりしていると画面越しに見ている視聴者からも不誠実な態度と捉えられてしまうことがあります。
3.「個人的見解」は通じない
企業を代表して記者会見を開いている以上、「私といたしましては」「個人的には」などの前置きは通用しません。すべての発言が企業としての「公式」であることを忘れずに会見に臨みましょう。またテレビや新聞で報道される場合、そのような前置きの部分はカットされてしまうこともあるので注意が必要です。
4.メディアの特性を知っておく
会見の内容が報道される場合、メディア側は少しでも面白く、世間の興味を引くように編集します。編集の仕方によっては話し手の意図とは違う形で世間に伝わってしまうかもしれません。会見中の発言には一貫性をもたせ、どの部分を切り取られてもきちんと本意が伝わるような工夫をすることが大切です。
5.会見開始の前後も意識
記者から見られているのは会見中だけではありません。たとえば会見前の会場に入るまでの態度や、会見が終わった後にふとこぼした言葉などが翌日の新聞の一面になっていた、などということもよくあります。常に見られているという意識を持ち、会見の前後の態度や発言にも気を抜かないようにしましょう。
6.装飾品は全て外す
謝罪会見の場合は時計、ブレスレット、指輪、名札、襟章などの装飾品は全て外しましょう。ポケットチーフを入れて記者会見を行っている方も多いですが謝罪会見の場合入れない方が良いです。
NG発言編
次に謝罪会見中のNG発言を5つご紹介します。これらの言葉は「不誠実」「責任転嫁」といったマイナスなイメージを与えてしまうので絶対に避けましょう。
7.「ノーコメント」「お答えできない」
現時点では答えることができない質問に対しても、このような言葉のみで回答を終わらせてしまうのはやめましょう。答えられない理由や今後どう対応していくのか、といったところまで合わせて答えることが重要です。
8.「えーと」「あのー」
謝罪会見に限ったことではないですが、これらの「有声休止」は印象が悪いです。しかし日ごろから癖になっていると自身で気づくことが難しいため、練習して誰かに聞いてもらったり、録音して自分で聞いたりして確認しましょう。
9.「私たちも被害者です」
例えば従業員の不適切な行動によって自社に大きな損害が発生した、取引先の品質不良により自社製品にトラブルが発生した、などといった場合でも「私たちも被害者である」という釈明は通用しません。どうにか責任を逃れようとしているように聞こえるため、大幅な企業イメージ低下につながります。もし口に出して発言していなかったとしても、このような潜在意識があると聞き手には伝わってしまうかもしれません。どのような姿勢で会見に臨むのか、会見への参加者全員が共通認識を持ち、誠意を伝えることが大切です。
10.「法的に問題はありません」
会見を開く原因となった事象が法律的に問題がなかったとしても、その点を強く主張すると反感を買ってしまう恐れがあります。もちろん、記者から追及された場合は真実を話すことが必要です。もし追及された場合は法的には問題がないことを前置きとして話した上で、謝罪の気持ちも添えるようにしましょう。
11.「~~ですね」
「~~ですね」という表現は評論家のような表現であるため、他人事のように話していると聞こえてしまいます。発言の内容だけではなく、言葉尻にまで注意して話すことが重要です。
記者会見での謝罪を成功させるために
メディアトレーニングを行う
記者会見での正しい謝罪方法のスキルを身につける手段として「メディアトレーニング」の受講があります。一般的にメディアトレーニングでは、専門家による講義やワークショップを受けた上で、記者会見の実践練習および講評を受けることができます。話し方などの基本的な知識はもちろん、万が一の危機発生時に何を備えておけば良いのか、社内体制の在り方からコンサルティングを受けることも可能です。
レピュ研でもメディアトレーニングのサービスをご提供しております。本記事では触れることのできなかった、さらに実践的なノウハウについて知りたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。