レピュテーショナルリスクとは?6つの事例と企業の対策法!

レピュテーショナルリスクとは?6つの事例と企業の対策法!

「レピュテーショナルリスクとは」「レピュテーショナルリスクの事例と企業ができる対策方法」についてまとめました。

「レピュテーショナルリスク」とは、ネガティブな評価が広まることによって企業の社会的信用(ブランド価値)が低下・失墜してしまう危険性を指す言葉です。別名「評判リスク」「風評リスク」などとも言われており、2018年現在では、テレビやニュースでも紹介され始めています。

ただ、注目度が増している一方で、そもそもレピュテーショナルリスクという言葉を聞き慣れていなかったり、事例を知らなかったりするため、ビジネスシーンでの使用法に困る方やリスク事例をよく知らないと悩む方が多いようです。

そこで今回は、「レピュテーショナルリスクの基礎」「レピュテーショナルリスクの活用事例」について、徹底解説します。具体的事例や、対策方法まで網羅してまとめているため、レピュテーショナルリスクの知識を付けたいと思っている方や、事例・原因・対策を知りたい方は必見です。一緒に知識を付けてリスクから身を守りましょう!

読み終わるまで 約3分10秒
記事から学べること 1. レピュテーショナルリスクの基礎情報
2. 6つの炎上事例と、レピュテーショナルリスクの関係性
3. ネット炎上4つの対策方法

レピュテーショナルリスクとは

レピュテーショナルリスクとは、「ブランド価値が低下する危険度」のこと

レピュテーショナルリスクとは、「ブランド価値が低下する危険度」のことを指しており、別名、「デジタルリスク」「ソーシャルリスク」「ネットリスク」などとも言われています。

そもそもレピュテーショナルは「評価・評判」、リスクは「あるできごとによる危険性が高まること」を指し、ふたつが組み合わさってできた言葉です。別で「レピュテーションリスク」という言葉がありますが「レピュテーショナルリスク」と同じ意味として使われています。ただ業界による特徴があり、主にレピュテーションリスクはネット保険/補償・風評被害対策の業界で使われ、レピュテーショナルリスクは金融庁や金融機関などによく見られる表現となっています。

2010年ごろからある言葉ですが、2017年ごろから情報セキュリティやウイルス対策の企業が、BtoB向けの商品・サービスで使い始めたため「企業に対する言葉」として認知度が広がりました。使われ方としては次のような例がよく見られます。

「レピュテーショナルリスク(ネット上の危険度)が高まっている」
「レピュテーショナルリスクに対応する準備はできていますか?」
「企業にはレピュテーショナルリスク管理が必要とされている」

レピュテーショナルリスクが注目される3つの理由

レピュテーショナルリスクは、2017年ごろよりネット炎上保険・風評被害対策・金融機関で使われたことがきっかけで注目されだしました。

世間を注目させた1つ目の要因は、レピュテーショナルリスクという言葉を「さまざまな業界がブランドとして作っていく動きがあったこと」ですが、別に2つの要因があります。

  1. 「レピュテーショナルリスクを考えている企業です」と世の中にアピールすると、危機管理ができている会社だと思われ、良いイメージがつくため
  2. 「レピュテーショナルリスク管理」をすることによって、ネット炎上に対する予防策・対応策ができるため

多くの法人はブランディングとネット炎上予防の2点を目的として、レピュテーショナルリスクの対策や管理を考えるようになったことが、1つ目とは別に注目された要因にもなっているのです。

レピュテーショナルリスクとネット炎上は表裏一体

「レピュテーショナルリスク(ブランド価値が低下する危険度)」と「ネット炎上」は、実は使われ方がとても似ています。

2010年ごろ登場したネット炎上は、当時年間10件程度でしたが、2017年度は年間1,086件と比べものにならないくらい起きています。中でも法人・企業に関係するネット炎上は、ブランド価値を失墜させる脅威であるがゆえに、レピュテーショナルリスク対策が必要だと言われているのです。

企業がネット炎上対策・予防を考えていく上で欠かせないのがレピュテーショナルリスク管理となります。レピュテーショナルリスクとネット炎上は関係性がとても強く、すでに対策を導入・検討している企業では、レピュテーショナルリスクマネジメントなどと呼ばれています。

レピュテーショナルリスクが起きる4つの原因と事例

レピュテーショナルリスクが起きる4つの原因と事例

レピュテーショナルリスクの原因や対策を、実際に起きた炎上事例をもとに4つご紹介します。レピュテーショナルリスクを具体的に感じることで、ネット炎上に対する予防・対策の重要性が分かるようにまとめました。

事例と原因1:内部告発によるネット炎上事例

従業員や企業関係者などが、ネット上に企業の悪い点やネガティブ情報を書き込みして炎上する事例です。「企業に関係する人物から、信憑性の高いネガティブ情報が発信された点」に対し、レピュテーショナルリスク管理が大切です。

内部告発によるネット炎上でご紹介するのは、無料漫画アプリの作家が取引先の企業を内部告発した事例です。取引先企業関係者であるにも関わらず、某作家は「この企業に騙された」なとど告発しています。この炎上に対する原因の特定や、企業ができるレピュテーショナルリスク管理についても詳しくまとめています。

事例と原因2:外部告発による2つのネット炎上事例

社内情報が外部に漏れて問題を指摘されたり、企業関係者ではない方からのネガティブな情報を指摘されたりして炎上する事例です。「企業に関係しない人物やメディアから出たネガティブ情報によって、多くの人が共感して情報拡散する点」に対し、レピュテーショナルリスク管理が必要になります。

企業に関係しない人が出すネガティブ情報は、信憑性の有無に関わらず、共感されるとまたたく間に情報が拡散する点がとても危険です。SNSを使っている人たちは、「情報の信憑性に関わらず、その内容が面白く共感できるか」で拡散するか決める傾向にあるためです。(1)

外部告発によるネット炎上でご紹介する1つ目の事例は、テレビメディアによってネガティブ情報を告発され炎上した企業の事例です。某テレビ会社は、事前に企業の社内メールまでも情報収集し、告発に踏みきっています。情報漏えいや外部告発に対するレピュテーショナルリスクの部分で詳しくまとめています。

外部告発によるネット炎上の2つ目の事例は、デマ情報が原因でブランド価値が下がってしまい、閉店に追い込まれた飲食店の事例です。炎上したのがデマ情報を書き込んだ人でありコントロールしにくい点が、レピュテーショナルリスク管理の難しさや、拡散の危険性が感じとれる事例となっています。

事例と原因3:価値観の違いによるネット炎上事例

価値観の違いで企業が炎上する事例は、大きく2パターンあります。

パターン1. 企業内で昔から良しとされてきた社内ルールや考え方が、世間の価値観と合わないパターン
パターン2. 企業が新しく打ち出したサービスの告知やコンセプトが、世間の価値観と合わないパターン

価値観の違いで炎上する事例では、「企業が予測できないところで起きる点」「企業が伝えたい目的とズレがある点」に対し、レピュテーショナルリスク管理を意識しなくてはなりません。価値観の違いによるネット炎上は、企業カテゴリーで一番多く起きる炎上原因となっています。レピュ研では、パターン1・パターン2どちらもまとめているため、順番にご紹介いたします。

とある企業の社長のSNSに書き込んだ内容が、世間の価値観と合わないパターンで炎上した事例です。考え方が合わないパターン1の事例として、レピュテーショナルリスクの観点も含めてまとめています。

大手女性メディアの記事内容が、世間の価値観と合わないパターンで炎上した事例です。記事(コンテンツ)サービスとして配信した目的が、企業とユーザーの間で賛否両論となって炎上しています。

事例と原因4:知識不足によるネット炎上事例

知識不足による企業のネット炎上とは、本人は良かれと思って発信した情報が、実は企業秘密だったり公開してはいけなかったりしたときに、炎上する事例です。「個人が犯した小さな火種によって、企業に飛び火する点」「ネット炎上に対する知識付けをおこなう点」にレピュテーショナルリスク管理を考えることが重要です。

知識不足によるネット炎上でご紹介するのは、社外秘を漏えいした従業員Aと企業が炎上した事例です。なぜ従業員Aは社外秘を投稿してしまったのか、事態を収拾する方法はどうすればいいか、従業員Aの処分はどうするのかなど、さまざまなポイントでレピュテーショナルリスクマネジメントについて考える必要がある内容となっています。

レピュテーショナルリスク4つの発生源と割合

レピュテーショナルリスクを意識するポイントは「内部告発・外部告発・価値観の違い・知識不足」の4つですが、発生割合が違います。

レピュテーショナルリスク4つの発生源と割合

ネット炎上は「価値観の違い」による原因が6割も

2017年度におこなった1,086件におよぶ炎上分析では、価値観の違いによるネット炎上が、企業炎上の6割を占めています。企業がまず行いたいレピュテーショナルリスク管理は、世間との価値観の違いによるネット炎上対策と言えるでしょう。

注意!レピュテーショナルリスクに知識ある人たちの行動とは

内部告発と外部告発によるネット炎上が合計15%しか無いのには理由があることも分かっています。

特定の企業や、企業の商品・サービスに対して、ネガティブな意見や指摘をしているネットユーザーは、あえて企業名を出したり、告発内容を劣悪な表現で書き込んだりしていないことが分かっています。SNSに慣れているユーザーたちは

「企業名を明かすことで、もし自分が名誉毀損や権利侵害で訴えられたらどうしよう」
「ネット上で企業名・サービス名を告発して、情報がずっと残り続けることにリスクを感じる」

などといった、レピュテーショナルリスクの意識を重く捉えているのです。

彼らは自らリスクマネジメントをできている一方で、「助けるから一緒に告発へ踏みきろう!」といったサポート・手助けユーザーがいたとき、簡単に情報公開(告発)してしまう危険性があります。企業はこういったユーザーの声もひろい、事態が表面化するまえに食い止められるレピュテーショナルリスク管理の考え方が重要と言えるでしょう。

レピュテーショナルリスク対策をする4つの方法

レピュテーショナルリスク対策をする4つの方法

ネット炎上に備えたレピュテーショナルリスク対策をする方法は4つあります。

1. 社内制度・ルールの見直し
2. 社員教員
3. 炎上ガイドラインの策定(別名:ソーシャルメディアポリシー)
4. ネット監視

企業内で準備しやすい「1,2,3」に比べ、「4. ネット監視」は専門的なレピュテーショナルリスクの知識が必要になってきます。企業のネット炎上で一番課題とされているのが次の3点です。

「どんなところを監視し、どんな投稿が炎上につながってしまうのか」
「万が一炎上に繋がりそうな危険な投稿があったとき、どんな対応・対策をすればいいのか」
「万が一炎上になったとき、ユーザー対応や謝罪方法はどうすればいいのか」

レピュテーショナルリスクを企業内で備えるためには、こういった課題に対応できる技術力をつける必要があるでしょう。

レピュ研では、数多くの炎上事例をご紹介し、事例に合わせた炎上原因やレピュテーショナルリスク対策の方法をまとめています。ネット炎上の具体例を知りたい方や、炎上に関する基礎知識を付けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

炎上事例の一覧をみてみる

レピュテーショナルリスク対策はできるところから始めよう

レピュテーショナルリスク対策はできるところから始めよう

レピュテーショナルリスクの事例や対策方法について、いろいろな視点を持っていただけたと思います。

企業がネット炎上・レピュテーショナルリスク対策をするためには、多くの炎上事例を知っておくことが重要と言えるでしょう。また、炎上事例はただ多く見るだけではなく、次の3点をあわせて知ることが大切です。

  1. ネット炎上になった原因
  2. 炎上に対して当事者(企業・個人ともに)が取った行動
  3. 炎上事例別に企業がとっておくべき対策方法

レピュテーショナルリスクのマネジメント方法や研究をしている当メディア「レピュ研」では、月間2~3本、時期に合わせて特徴的な炎上事例を紹介しています。企業がしっておきたいレピュテーショナルリスクの管理方法から、炎上事例ごとの原因や対策方法までくわしくまとめています。事例を1つでも多く知って、ネットの脅威であるネット炎上・レピュテーショナルリスクに備えられるようにしましょうね。

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