ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
7月の炎上リサーチレポート
2020年7月のネット炎上件数は22件でした。2020年7月で多かったのは一般個人と法人の事例であり、共に6件の炎上が起きていました。炎上原因としては情報発信時の不適切な表現をしたこと、新型ウイルスに関する不適切な発言・対応をしてしまったことなどが目立っています。また、エンタメ関連の炎上4件のうち3件はTV番組内での発言がきっかけのものでした。今回のピックアップ炎上は、法人の炎上事例からご紹介します。
取締役が顧客の容姿に対し不適切な表現をしたため炎上
あるゲーム会社の取締役が自社製品である人気パズルゲームについてYouTubeなどで生配信を行いました。ゲームの総合プロデューサーをゲストに迎え、インタビューや、eスポーツ選手同士の対戦の様子などが配信されていました。選手同士の対戦について話を振られた取締役は、
「チーズ牛丼食ってそうな感じ」
と選手の容姿に対して不適切な表現をしたことでYouTubeのコメント欄やTwitter上で多くの批判が殺到しました。「チーズ牛丼」とは、暗い男性を示すネットスラングであり、侮辱の意味で使われることが多いです。
ユーザーからの意見
自社製品のユーザーで、プロゲーマーにまでなった人の容姿に対して、会社の役員が不適切な表現をしたことでユーザーから次のような批判が集まりました。
「役員がユーザーを馬鹿にする言葉を発言していて残念」
「社会人の常識が欠如している」
「人の容姿で笑いを取ろうとするのは許せない」
取締役の発言により多くの批判を集めた生配信となってしまいました。生配信での不適切な発言を一部修正し、概要欄に謝罪文を載せてYouTubeのアーカイブとして公開しましたが、取締役の名前もない短い謝罪文だったため、謝罪方法も不適切だと更に批判が殺到してしまいました。
リスク予防と発生後の準備
今回ご紹介した事例では、取締役が自社製品のユーザーに対して不適切な表現をしたことや、その後の対応により、多くの人を不快に感じさせてしまいました。このように情報を受け取る人の気持ちを考えず、軽い気持ちで発言した一言で、大きな炎上に繋がってしまうこともあるため注意が必要です。また炎上を鎮火するため、視聴者からの信頼を取り戻すために行う対応も、適切に行わないと更に大きな炎上を招いてしまうことがあります。リスクを防止するために情報発信のためのガイドラインを策定し、社内に浸透させる、リスク発生時の対応を準備しておくなどの対策をしておきましょう。