本記事では、新たな炎上リスクとして気を付けておきたい「リモートハラスメント」について解説します。
新型コロナウイルスの影響からリモートワークを導入している企業様も多いと思います。リモートワークとは直訳すると、会社から離れた場所で働くことを表し、在宅勤務を指す意味として使用されることが多いです。便利な働き方であるリモートワークですが、その反面「リモートハラスメント」という新しいリスクが問題視されています。リスクの対策を怠り、社内でハラスメント行為があったことをネット上に公開されてしまうと、倫理やモラルに反しているなどの理由から、企業に大きな損害を招く恐れがあります。しかしリスク防止のために対策をしようと思っても、具体的にどのようなことが原因になるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそのようなリスクを発生させないために「リモートワークに潜むリスクと対策方法」について事例とともにご紹介します。思わぬリスクで企業に損害を招かないためにも是非今後の対策としてご活用ください。
炎上リスクに備える為の9つの項目
・炎上発生に備える基本体制の構築
・ネット情報の監視と分析方法
・炎上発生時の準備
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リモートハラスメントとは?
リモートハラスメントとは、リモートワーク(在宅勤務、テレワーク)中に受ける嫌がらせを表し、リモハラと略されることもあります。その他、同じような意味合いとして、テレワークハラスメント(テレハラ)、オンラインハラスメントなどと言われることもあります。
リモートハラスメントが起こる原因として、仕事とプライベートの境界が曖昧になる、コミュニケーションが円滑に行いにくいなどから普段とは異なる言動に繋がりやすいことが挙げられます。リモートハラスメントは大きく分けて、プライベートに干渉した言動をとるセクハラ系と、必要以上に仕事について干渉した言動をとるパワハラ系の2つがあるといわれています。
リモートハラスメントの注意点
SNS上への拡散
リモートハラスメントの被害の証拠がネット上に公開され、企業に大きな損害を与えることが問題になっています。今まではハラスメントを受けても証拠を形にすることは難しかったですが、リモートワークが増えたことで従業員同士が画面上でやり取りをする機会が増え、リモートハラスメントの証拠をPCやスマートフォンのキャプチャー機能により画像や動画で保存できるようになりました。そして保存された画像や動画を従業員がSNSに投稿し、炎上するケースが増えています。特にリモートハラスメントを相談できる場所がない、相談しても改善が見られないなどの環境で起こりやすいリスクです。そのような画像や動画の投稿は、文章の投稿と比べて拡散スピードが非常に早いため、すぐに炎上に繋がり、大きな企業リスクへと発展する可能性があるため対策を行う企業が増えています。
ハラスメントへの認識の違い
どのような行為がリモートハラスメントに該当するのか、性別や年代によって認識に差があるため気づかないうちにハラスメント行為をしてしまっている場合があります。また、○○ハラスメントという言葉が次々に生まれたため、昔は問題なかった言動でも不適切と指摘されるようになりました。その認識は世代や性別、立場によっても異なる可能性もあるため、気づかないうちにパワハラ、セクハラ、モラハラを受けたと受け取られてしまうかもしれません。どのような行為がハラスメントにあたるのか線引きは難しいですが、受け取り手のことをよく考えることが大切です。
リモートハラスメントがネット上に拡散された事例
リモートハラスメントによりネット上に拡散してしまった事例を3つご紹介します。問題が拡散されなければ企業内のトラブルで抑えられますが、ネット上に拡散されてしまうと企業のレピュテーショナルリスクへ発展することもあるので注意が必要です。
プライバシーに反する言動
ある報道番組で取材を受けた女性が、リモートワーク中に行われたビデオ会議で、男性従業員からリモートハラスメントを受けたことを話しました。放送を見た視聴者からTwitter上で多くの批判の声が集まり、実際に自分も同じような経験をしたという投稿も多数ありました。男性従業員が発言した内容は次の通りです。
「部屋の中見せて」
「今日はすっぴんなんだね」
「パジャマ着て見せて」
このように業務に関係しないプライベートな質問はセクハラだと感じる人が多いです。このように万が一ネット上に告発されてしまうと企業に大きな損害を与えてしまいます。自宅からビデオ会議に参加していても、業務に関係しないことを発言することで不快に感じる人がいることを忘れないようにしましょう。
飲み会の半強制参加
報道番組で取材を受けた弁護士が、今増えているリモートハラスメントとして、職場の上司に半強制で誘われるリモート飲み会についての相談が多いと話しました。弁護士が相談を受けたのは、夜8時から翌朝の5時まで続いた飲み会に参加させられ、途中退出もできないというものでした。リモート飲みは、自宅から参加するため終了時間が決まってないことが多く、お酒も強要されることからアルコールハラスメントに該当し、法律的にも問題がある場合が多いと言われています。この番組をみた視聴者からは「自分と同じことがおこっている」「自分も断れない」などの共感する声がTwitter上で集まりました。
お酒が苦手な人や参加したくない人、途中退出したい人にとっては、良かれと思って開催した飲み会も嫌がらせに感じてしまう場合もあるため、リモート飲み会を開催する際は、あらかじめ終了時間を決める、半強制にならずに途中退出できるなどの環境を作る必要があります。
必要以上の干渉
リモートワークで働く男性が、必要以上に仕事の監視・管理が行われていることをTwitterに投稿したため批判が殺到しました。内容は次の通りです。
「在宅勤務でもスーツ着用が義務」
「在宅勤務中は常にビデオ通話し、ミュートにしてはいけない」
「Zoom会議では上位者よりも先に退出するな」
今回投稿した男性のアカウントは匿名であり、勤務先が特定されることはありませんでしたが、場合によっては過去の投稿から個人情報が特定され、企業名が晒されてしまうこともあります。社内トラブルだけにとどまらず、SNSに公開されてしまうことで社外のトラブルに発展しかねないので、必要以上の業務についての監視や管理には注意が必要です。
企業としての対策
企業としての行うべき対策を2つご紹介します。リモートハラスメントがネットリスクへと発展しないように、しっかりと対策をとる必要があります。
相談窓口を作る
まずリモートハラスメントを受けた従業員が相談するための窓口を作り、ハラスメントに対して真摯に対応する体制を整える必要があります。相談窓口がない、企業の対応に問題があるなど、被害者の相談口、はけ口がない場合は特にリモートハラスメントの証拠をネット上に公開され、内部告発されてしまうリスクが高まります。従業員をフォローする環境の整備は、一見ネットのリスクとは関係ないように見えますが対策としてとても重要です。
ネット監視
ネット監視を行い、自社に関するネガティブな情報を早期に発見し、ネガティブ情報の拡散を防止する必要があります。リモートワーク内でおこるすべてのことを会社が把握するのは難しいと思いますが、リモートハラスメントを受けた内容がネット上に公開されてからでの対応では、企業に経済的・社会的な損害を招く可能性があります。炎上後の対応に時間がたってしまうと、対応までに問題が大きく膨れ上がり、その分鎮火に時間がかかってしまいます。またSNS上に投稿される画像や動画の投稿は、文章の投稿と比べ拡散されるスピードがとても早いため、より迅速な対応が求められます。
効果的なSNS監視のためのガイドブック
・監視をする前に決めること
・監視の実施方法
・社内で監視するときの注意点
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