思わぬ損害を招くこともある!企業の失敗例に学ぶツイッターでの炎上対策

思わぬ損害を招くこともある!企業の失敗例に学ぶツイッターでの炎上対策

SNSは非常に高い拡散性と話題性を持っているため、企業がプロモーションやマーケティングなどに活用することも珍しくありません。その中でも、コンパクトで読みやすい「ツイッター」は人気が高く、アカウントを取得して情報発信している企業も多いです。ただ、気軽に発信できるツールであるだけに、投稿が思わぬ失敗を招くケースもあります。今回は、実際にあった企業の失敗例を参考に、ツイッターの炎上対策について詳しく解説していきます。

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ツイッターで実際にあった企業の失敗例

ツイッターで実際にあった企業の失敗例

誰もが名前を知っているような大手飲料・食品メーカーでは、商品のキャンペーン目的で利用したツイッターが炎上したケースがありました。とある商品にちなんだエッセイや写真などの作品を募集したもので、ツイッターを活用することで新しい客層にアプローチできると見込んで実施されたのです。このとき、ユーザーから投稿されたキーワードに反応し、自動でキャンペーンの告知を返信する「BOTアカウント」が利用されました。人の手で返信する必要がないため、効率的にキャンペーンの存在を告知できると判断したのです。

ところが、このBOTアカウントが炎上の原因となってしまいました。作成したBOTアカウントが11種類もあったため、「同じ告知をする似たようなアカウントが複数ある」と不審がられてしまったのです。また、フォローしていないアカウントから勝手に告知が届くことを嫌がるユーザーも多く、「大手メーカーの名をかたったスパムではないか」とユーザーの間で騒動になってしまったのです。その結果、ツイッターを活用したキャンペーンは、開始からわずか2時間で中止が決定されました。

この失敗例は、BOTアカウントを増やしすぎたというプログラム的な面だけでなく、企業の体制にも問題がありました。キャンペーンの一環であったため、ツイッターの活用はマーケティング部門だけで行われ、インターネットに強いEC部門が関わっていなかったのです。インターネットやSNSを活用するときは、知識と経験をもった専門の部署の協力が必要不可欠であることがわかります。

結果的に失敗に終わってしまいましたが、メーカー側の対応は迅速でした。短時間で騒動に気づいてアカウントを停止させたうえ、すぐに企業として謝罪文を発表したのです。また、キャンペーン用ではなく従来利用していた企業アカウントからも謝罪や事態の説明などを行い、ツイッターユーザー向けにも真摯に対応しました。このような姿勢が評価され、それ以上バッシングがひどくなることもなく事態は収束したのです。失敗してツイッターが炎上したとしても、その後の対応次第で事態の早期収束やイメージアップを図れるケースもあるので、適切に対処することが大切です。

軽いイタズラが大きな損害になるケース

企業にとって、事業を展開していくためには従業員が欠かせません。ところが、すべての従業員が善良で勤勉であるとは限らず、中には勤務中に怠けたり遊んでしまったりする人もいます。そればかりか、職場の設備や商品などを利用して「イタズラ」を行い、その様子をツイッターに投稿して注目を集めようとする困ったケースもあるのです。本人としては軽いイタズラ、仲間内で楽しむだけというつもりだったとしても、拡散力の高いSNSではあっという間に多くのユーザーが知るところになってしまいます。目にした人に不快感を与え、「こんな従業員を雇っているなんてとんでもない企業だ」と、企業を巻き込む大ごとに発展することも珍しくありません。

過去には、コンビニで働くアルバイト店員が「暑いから」とアイスケースに入った写真を投稿したケースがありました。勤務中にふざけているというだけでなく、お客さんが購入して食べるアイスの上に寝転ぶという不衛生さもあって、大きなバッシングが起きたのです。写真を見た人が怒って写真を拡散させ、それがまた拡散されることを繰り返して大炎上になりました。この結果、コンビニ本部はイメージを傷つけられた被害者であるにもかかわらず、社会に対して謝罪するという事態に陥ります。コンビニの一店舗で起きた不祥事ではありますが、それを統括する企業として本部にも苦情が多く寄せられたためです。軽はずみな行動がブランドイメージを傷つけ、社会的な信頼を落とすという大損害につながってしまうことがよくわかります。

ツイッターの炎上が顧客管理の問題に発展

ツイッターの炎上が顧客管理の問題に発展

個人情報の重要性は多くの人が知るところですが、その重要性を深く理解していない従業員もいます。とある大手銀行では、行員が顧客である有名芸能人の免許証をコピーし、自宅に持ち帰るという重大な個人情報漏えい事件が起きました。持ち帰っただけでなく、それを家族にも伝えて楽しんでいたのです。行員本人は家族に漏えいしたのみでしたが、話を聞いた家族がツイッターで「有名芸能人の個人情報を得た」と自慢してしまいました。しかも、その有名芸能人がどの店舗に来店したか、なぜ来店したか、店舗内の様子がどうだったかまで暴露してしまったのです。

この投稿はあっという間に拡散され、銀行というセンシティブな情報を扱う機関で起きたこともあって大炎上しました。さらに、行員が顧客の個人情報を家に持ち帰ったのはこれが初めてではなく、過去には別の俳優の免許証も同じようにコピーしていたことまで投稿されています。一行員が簡単に顧客情報を外部に持ち帰れるという銀行のずさんな顧客情報管理が発覚し、親子はもちろん、銀行にまで批判が殺到する事態となったのです。銀行はすぐに事実を認め、謝罪文を発表するとともに情報管理体制を強化していくことを約束しました。顧客情報の管理はもちろん、従業員に対するモラル教育の重要性がわかる事例です。

個人から企業の問題に発展しやすい

これまで紹介してきたように、企業が炎上してしまうのは従業員やその家族などが発端となるケースが多いです。立場を利用して知り得た情報や、従業員だからこそできる行動などを、大した悪意もなく気軽に投稿してしまう傾向があります。多くのケースで共通しているのが、SNSの拡散性の高さをあまり理解していないという点です。

直接の知り合いなど限られた人物と交わす普段の会話の場合、不特定多数のほかの人に話の内容がつつぬけになることはあまりありません。ところが、SNSは違います。インターネットは多くの人が自由に利用できるものなので、そこへ投稿した内容は誰に見られているかわかりません。自分はプライベートな相手に向けて発信したつもりでも、閲覧制限などをかけていない限り不特定多数の人に見られてしまうのです。この違いを十分に理解できていない人が多いことも、SNSが炎上してしまう大きな要因になっている可能性があります。

厄介なのは、軽いイタズラや自慢のつもりでSNSに投稿した内容により、背景にある企業の問題点が露呈するケースが少なくないという点です。投稿内容をきちんとチェックできる企業の公式アカウントとは違い、従業員やその家族が個人的に利用するアカウントは企業が管理することはできません。従業員にSNSの利用をやめるよう強制もできないため、ツイッターなどは企業にとって新たなリスクとなりつつあるのです。炎上して経営に悪影響が出るのを避けるためにも、普段から従業員に対してモラルやSNSの利用についてしっかりと教育しておくことが欠かせません。

SNS教育のプログラム策定ポイント4つと実施例

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一度炎上したら止めることは不可能?

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不特定多数が利用するSNSは、拡散性が非常に高いのが特徴です。普段の会話なら、話を聞いた相手だけに内容が伝わるのですが、SNSは一度の投稿を多くのユーザーが目にします。しかも、SNSにはフォロー機能があるため、投稿したユーザーやそれを拡散したユーザーのフォロワー数によっては爆発的に情報が広がっていきます。このため、一度炎上してしまうと素人が自力で事態を収束させるのは非常に難しくなるのです。「すぐに謝罪すれば何とかなる」と思っている人も多いでしょうが、正直に謝罪したとしても炎上を止められるとは限りません。インターネット上には炎上を楽しんだり徹底的に追及したりするユーザーなどもいるため、謝罪内容の揚げ足をとられてさらに叩かれてしまうケースもあるのです。

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ツイッターで炎上しやすいのはなぜか

ツイッターが炎上しやすいのは、匿名で投稿できる敷居の低さもさることながら、情報が拡散しやすいという点も原因のひとつになっています。たとえば、ある企業がユーザーのクレームに対して不適切な対応をしてしまったとします。電話やメールなどによるクレーム対応の場合、不適切な対応をしてユーザーが不満を抱いたとしても、その不満がほかのユーザーに広まることはあまりありません。ところが、ツイッターでは不満を抱いたユーザーが自分のアカウントで簡単に情報を発信できるため、ほかの多くのユーザーの目にとまりやすくなります。

「この企業がこんなひどい対応をした」とインターネット上で話題になると、それを聞きつけたメディアに取り上げられることも多いです。メディア経由で騒動を知ったユーザーが、さらに拡散させることでどんどん情報が広がり、別のメディアでも取り上げられてますます注目を集めてしまいます。このように、一つの不満が拡散するスピードが早い、ユーザーが多く注目を集めやすいなどの理由から、ツイッターは炎上しやすいツールとなっているのです。

コメントにみられる現代の風潮とは

コメントにみられる現代の風潮とは

SNSが炎上してしまうのは、そもそも投稿者に問題があるケースが多いです。モラルや理性が欠けた行為に対し、ほかのユーザーが嫌悪感を抱いて批判してしまうのも無理はありません。ただ、問題ある投稿を受け止める側も「批判したくなる」人が増えているという意見もあります。実際に炎上しているSNSを見てみるとわかるのですが、寄せられているコメントを見るとさまざまなタイプに分かれています。「肯定的なコメント」「理論的なコメント」もあれば、幼稚な言葉でただひたすら罵倒するだけのコメントも少なくありません。

罵倒するだけのコメントは、もはや正当な批判ではなく「相手をおとしめる」ことを楽しんでいるものも多いです。投稿者が羨ましくて嫉妬していたり、批判して他人を下げることで自分を正当化したかったりして、わざと必要以上に悪意に満ちたコメントをする人も増えているのです。特にツイッターは匿名でも利用できるため、本名を名乗らない限り「誰がどんな内容の批判をしたか」がわかりません。コメントの責任をとる必要もなく、プライベートの知り合いにコメント内容を知られることもないため、歯止めがきかなくなって炎上が広がるケースも少なくありません。

自分でできる解決策を考えてみよう

ツイッターを利用するときは、できるだけ炎上させないように自分でも対策を行っておくことが大切です。まず、叩かれるような記事を投稿しないようにしましょう。自分では面白いと思って投稿していても、世間一般から見れば非常識でマナー違反の内容になっている可能性があります。炎上する可能性があるイタズラ写真や動画は、最初から投稿しないのが一番です。また、炎上は悪意あるコメントによって引き起こされるケースも多いので、迷惑なコメントを受けないよう、コメントは承認制にするなど設定を変えておきましょう。

さらに、投稿を閲覧できるユーザーを限定するのも効果的です。友人など狭い範囲に限定していれば、不特定多数のユーザーに見られる心配がないため炎上のリスクを抑えることができます。ただし、コメントを限定しても、ほかのSNSなどで批判を書き込まれる場合もあるので注意が必要です。このような場合は、SNSの運営側に連絡して削除要請などをするしかありません。時間と手間がかかりますが、何もしないまま放置すると炎上につながる可能性もあるので、気づいたら行動するようにしましょう。

ツイッターは被害が広がりやすい

ツイッターは世界的にも多くのユーザー数を誇る人気のSNSであり、それだけ情報が拡散しやすいことを意味します。一度炎上してしまえば被害が広がりやすいので、くれぐれも注意しなければなりません。企業アカウントが炎上すると、社会的な信用が低下して経営が傾いてしまうおそれもあります。SNSの利用を検討している場合は、これまで紹介してきたようなリスクや炎上を回避する方法を事前に学び、十分なリスク管理や危機管理を行ってから実施するようにしましょう。

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