本記事ではネット炎上に対しての対応や謝罪方法を誤ったことで更なる炎上に発展してしまった事例とその傾向を解説します。
ネット炎上をはじめとする企業とユーザー間のトラブルは、どれだけ対策を行っていても完全に防ぐことは難しいです。そしてそれらの情報はネットを介して簡単に拡散されてしまう為、炎上発生後の対応をいかに早く、的確に行うかはとても重要になってきます。しかし実際に炎上が起こったときにどのように対応すればよいのかわからない担当者も多いのではないでしょうか。今回はそのような方に向けて2019年はどのような対応がユーザーの批判を集めて大きな炎上に発展してしまったのか、事例と傾向をまとめました。NG対応の傾向を知って炎上を早期に鎮火さる方法を身につけましょう!
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【2019年】対応ミスで二次炎上に発展した事例4選
1.無断で当該ツイートを削除して炎上
ある通信会社が運営する電子書籍ストアの公式ツイッターが炎上しました。女性蔑視ともとれる内容の漫画の一部分を抜粋した画像のツイートが火種となり炎上したのですが、さらに問題だったのが謝罪やコメントを発表せずにツイートを削除してしまったことです。この対応に対してさらに批判の声が上がり、炎上は燃え広がってしまいました。
一度発信した情報を無断で削除することは情報の隠蔽を疑われるだけではなく、ユーザーによって保存された情報がさらに拡散されてしまう恐れがあるため意味がありません。
2.気持ちを無視した一方的な対応が炎上
大手化学メーカーの育休取得の問題をめぐって大炎上に発展してしまった事例をご紹介します。同メーカーで働く男性の妻が、Twitter上に告発したことがきっかけとなりました。次のような流れで、時価総額624億円の損失が発生するまでの大炎上となりました。
1.男性社員の妻がTwitterに「夫が育休取得直後に転勤を命じられて、有給も取らせてもらえず退職に追い込まれた」という旨を投稿して炎上する
2.この会社の公式サイトから育休に関するページが削除されてさらに批判が集まる。
3.同会社の社長から社員に向けて一連の騒ぎについて「転勤の内示はあったが見せしめではない」とメールが届く
4.会社側は「当社の対応に問題はなかった」と公式に発表をして更なる炎上に発展
証拠となり得る情報(サイト)の削除や、「当社は一切悪くありません」という姿勢によって、企業イメージを大幅に低下させてしまうことになりました。
3.焦って対応した結果さらに炎上
ある旅行会社では採用担当者のミスにより約4万3000人に内々定の通知メールを送信して炎上してしまいました。その後焦った担当者が謝罪のメールを送りますが、宛名が呼び捨てだったため二次炎上しています。旅行会社には情報管理についての不信感や就活生からの怒りの声が殺到し、企業の信頼を失う結果となりました。
4.炎上後の謝罪会見が不適切だと炎上
電子決済サービスを提供する会社で不正アクセスが発生し、同社代表が記者会見を開いたところ、事態が悪化してしまった事例があります。謝罪やユーザーの信頼回復をするべき場で対応を誤り、さらに批判が集まり大炎上してしまいました。
このような記者会見や謝罪会見での発言を誤ったことによる炎上は2019年にとても多く発生しています。メディアトレーニングなどを行い、万が一の場合に適切な対応を取れる準備をしておくことも重要です。
対応ミスで二次炎上に発展しやすい傾向
炎上した「火種」を無断削除する
炎上してしまったとき、焦って投稿を削除してしまう担当者は多いですが逆効果となってしまうのでやめましょう。削除する場合は事前に見解や謝罪を発表してから行う必要があります。無断で削除してしまうと情報の隠蔽を疑われたり、キャプチャーとして残された情報がさらに拡散されてしまったりする可能性も高いです。
炎上がなかったかのように他の情報を発信
炎上している最中に、何事もなかったかのように広告やPRなどの情報を発信することも更なる炎上のきっかけとなりやすいです。炎上に対しては静観すると決めた場合でも、新たな情報の発信はある程度時間を空けてから行うようにしましょう。
法的問題がないことを主張
トラブル発生後、法的問題の有無について言及する企業はとても多いです。確かに裁判では有利になるかもしれませんが、炎上鎮火や企業イメージ低下を防ぐための手法としては逆効果となってしまいます。なぜなら法律ではなく倫理、モラルをより重要視しているユーザー、消費者が多いためです。事実ではないことをしっかり主張することも大切ですが、世間の気持ちも汲み取り真摯に対応することが重要です。
初期対応が遅い
ネット炎上の場合、炎上していること自体に気づくのが遅れて初期対応が遅くなってしまうことも二次炎上に発展する要因となります。第三者からの指摘で炎上に気づくということがないように、日ごろからSNSを含むネット上を監視し、いち早く炎上の火種に気づくことが大切です。
2020年は二次炎上させないための対策を
二次炎上を防ぐために重要なポイントは「危機発生時を想定した対応策の準備」と「ネット監視」です。さらに炎上事例を多く知り、ユーザーはどんなことに関心があってどんなことを不快に感じるのか理解しておく必要もあります。
レピュ研では今後も、ネット炎上をはじめとする企業のリスクについて情報発信をしていきます。ぜひ皆様のリスク対策の一環としてご活用いただければと思います。
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