ネット炎上事例として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
5月炎上リサーチレポート
2018年4月のネット炎上件数は90件でした。2018年4月で一番多かった炎上はエンタメ関係で、32件ありました。タレントの不適切な行動や書き込みがSNS上で話題となり、炎上につながるものが多い印象でした。続いて、2番目に多かった一般個人関係で、20件でした。
今月ピックアップした炎上は、新入社員研修が不適切な内容だとして炎上した事例です。研修内容では、会社の伝えたい意図とネットユーザーの考え方に違いが生まれ、炎上してしまいました。
新入社員の研修内容が不適切だとして炎上
2018年4月某日、不動産関係の株式会社Iが新入社員の研修内容としてアップロードした動画が、不適切な内容だとして炎上しました。
研修内容は「おはよう」と声を出しながら、社内でキャッチボールをする内容でした。株式会社Iは研修した目的について
自分の声を知り様々な場面で活用するため
プレゼンの上達のために受講するビジネスパーソンも増えているため
と語っています。また、研修の一部は、プロのボイストレーナーによるレッスンだったようです。しかし、動画を見たネット上の人たちは、
「意味がわからない。新入社員全然楽しそうに見えないんだけど」
「典型的なブラック企業じゃん。本気で意味が分からない」
「おじさん経営者たちはこの研修がタメになると思ってるだろうが、全く理解できない」
などと非難が殺到し、炎上してしまいました。
動画投稿後の6日後に謝罪するも、2次炎上
動画をアップロードした株式会社Iは、まさか新入社員研修の動画が炎上するとは思ってもおらず、動画投稿をした6日後にネット上で謝罪文を公開しています。
「新卒の皆さん不快な思いをさせて申し訳ありません」
「応援するはずの広報活動が、その逆になり本当にごめんなさい」
ただ、この謝罪文を見たユーザーたちからは
「謝罪するなら、なんですぐ動画消さなかったんだよ」
「”本当にごめんなさい”とか、小学生の文章じゃないんだからさ…」
「動画投稿から何日経ってんの…しかもSNSで謝罪とか、あきれるわ」
などと対応が遅い点や、SNSで公式謝罪を行っている点が反感を買い、二次炎上となってしまいました。
企業として対策できる3つのこと
ネット監視を導入する
今回の事例では、新入社員研修の動画をアップロードした段階から、ユーザーの反応を知っておくことが重要でした。炎上は一度悪い方向へ情報が広がると、批判の便乗によって大拡散を起こしてしまいます。
ネット監視を導入することで、早い段階でユーザーの誤解を解いたり、動画を削除する判断が行えたりしていれば、炎上を防ぐことができた可能性が高いでしょう。
謝罪は感情を重視する
万が一炎上してしまい、謝罪するときは「理由や内容」よりも「気持ちや感情」を重視したほうがよいでしょう。
文化省が2017年に発表した調査結果によると、相手から何か謝罪されるとき、内容や理由よりも気持ちや感情を重視した話し方のほうが1.5倍以上受け入れやすい結果がでています。炎上したときは謝罪方法を工夫すると、さらなる炎上を食い止められるでしょう。
言葉遣いを徹底する
例えば、いつもフランクな口調で公式SNSを運用していたとしても、重大な発表や謝罪をするときは、言葉遣いを改めることも大切です。
とくに炎上に関する問題が起きているときはスイッチを切り替え、ビジネス敬語を意識した発言をすることも重要でしょう。
誤解が起きたときは、早期対応が重要
例えば相手に、伝えたい意図とは違ったとらえ方をされてしまったときは、なるべく早く誤解を解いたほうがよいでしょう。特にネット上では、1つの誤解から新しい解釈や憶測が連鎖的に起きてしまうものです。
誤解を招いてしまったときは、心配してくれた方や誤解によって迷惑をかけてしまった人に、いち早く謝罪することが重要です。目的や意図が伝わりにくいこともあるネットだからこそ、火種は早期に見つけて対策しましょう。
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