炎上事例とともに原因と対策を解説します。
今回は、とあるアイドルグループのファンの迷惑行為にクレームが殺到して炎上したケースを紹介します。2018年8月某日に、駅ビルのレストランで食事をした人を対象にグッズをプレゼントするというイベントが行われました。しかし、グッズは配布期間の初日にもかかわらず終了になってしまいました。一部のアイドルファンが迷惑行為をしてしまい、一般のお客様から苦情がでてしまったためです。
今回の事例のように、ファンの行動は先読みできず、炎上によってアイドルグループ全体のイメージダウンなどにつながってしまうケースが増えています。今回のケースではアイドルファン側が一方的に悪かったような書き込みが多かったためアイドルグループ自体には大きな影響は出ていません。ただ、ときに炎上は飛び火して、本来悪くない事柄までネガティブな印象をもたれる場合や、叩かれて今後の活動に支障がでてしまう場合などもあります。イベントを運営する側として、どういった対応や対策を取っておけばよいか、くわしくご紹介します。
出待ち行為にクレームが殺到!
アイドルファンがグッズの譲渡のために、一般のお客様をイベント会場付近で出待ちをするなどの迷惑行為をしたことが発端で炎上してしまいました。出待ち行為を「気持ちわるい・怖い」と感じた一般のお客様からのクレームが殺到したためです。お客さんの中には
「せっかく楽しく食事したところなのに気分最悪」
とショックを受ける人がでてしまいました。
イベント初日にもかかわらずグッズの配布が終了に
グッズの配布期間が4日間用意されていたにもかかわらず、初日で「大好評につき終了」となってしまったのです。ファンの中には、
「出待ち行為が原因ではないか」
とマナー違反を問題視している人がたくさんいました。イベントに参加した人からの
「在庫が見えているのに店員さんから配布終了って言われた」
という報告がネット上にあがったためです。また、関係者を名乗るアカウントからの
「在庫はまだ大量にありましたが、ファンの迷惑行為のために中止になってしまいました」
という告発を信じるユーザーがたくさんいたためです。グッズの配布終了について運営側は、
「迷惑行為は確かにあったが、配布終了には関係ない」
と主張しています。しかし、ネット上では
「一部のファンの迷惑行為のせいで中止になったのでは?」
という憶測が拡散されて炎上してしまいました。
炎上した2つの原因
原因1: アーティストのイメージを落としてしまう行動だったから
一部のファンが、アーティストのイメージダウンに繋がるような行動をしたため炎上してしまいました。実際に出待ち行為にあった一般のお客様は
「ファンの質が悪い」
「これだからアイドルファンは嫌い」
と感じてしまいました。ネット上では、
「一部のファンのせいでアーティストのイメージが下がってしまうことが悲しい」
と感じたアイドルファンの被害者に向けた謝罪の声がたくさん寄せられました。
原因2:イベントに参加せずにグッズを獲得しようとしたため
一部のアイドルファンがイベントに参加しないでグッズを手に入れようとしていたため炎上してしまいました。今回のイベントでは、『レストランでの食事代が1000円以上でグッズを2個プレゼント』という対象者の規定があったにも関わらず、レストランを利用した一般のお客様から譲ってもらおうとするファンがたくさん集まってしまいました。一般のお客様からは、
「乞食みたいで無理」
「自分で食事してお金出して手に入れなよ」
という声があがっていました。アイドルファンの中には、
「同じファンとして恥ずかしい」
と出待ち行為を残念に感じてしまう人がたくさんいました。
運営会社ができる2つの炎上対策
対策1:イベントのルールを定めておこう
イベント開催日までにルールを定めて公式ホームページやSNSなどを使って拡散し参加者に周知させておきましょう。イベントの運営がルールをあらかじめ定めておくことで、もし会場付近で迷惑行為が行われてしまった場合でも、スタッフが直接注意や忠告をしやすいためです。
ただ「譲渡」や「出待ち」など禁止にする迷惑行為を限定したルールを作ってしまうと、「他の事なら迷惑行為にならない」と参加者から思われてしまう危険性もあります。今回の事例では、
「スタッフが迷惑行為だと判断した場合においても、注意させていただきます」
というような補足を付け加えて、定めた禁止行為以外でもスタッフが注意できる隙間を作っておくとよいでしょう。
対策2:専門の警備スタッフを雇おう
多くの人が利用する場所でイベントをするときは、迷惑行為をしている人に正しく注意や指導ができる専門のスタッフを雇っておくことが対策になります。注意書きだけの場合は、「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」という気のゆるみに繋がってしまう可能性があるためです。イベント参加者に対して「見張られている」という意識を持たせて迷惑になりそうな行為を抑制させることが炎上予防に繋がるでしょう。警備スタッフがいれば、もしイベント参加者と何らかのトラブルが発生しても速やかに対処してもらうことができるので安心ですよね。
ネット監視を有効活用しよう!
法人は、イベントに関するワードやアーティスト名をエゴサーチしてネット監視しておくとよいでしょう。ネット監視をすれば、炎上しそうなネガティブな投稿をすばやくキャッチすることができるためです。大拡散されてしまう前にネガティブ投稿を見つけて対策しておけば、炎上を未然に防いだり最小限に抑えることができるのです。
「ファンはアーティストの鏡」といわれることがあるように、ファンの行動は注目されやすくアーティストのイメージを左右する要因のひとつです。法人は、アーティストのイメージを守るためにも炎上対策をしておくことをオススメします。