炎上事例をもとに、原因と対策を解説します。
今回は2018年4月某日に行われた講演内で、IT会社YのエンジニアAが不適切な発言をしたとして、本人とY社が炎上したケースをご紹介します。炎上したY社は6,000人もの従業員を抱える大企業だったため、大きな話題となりました。
また今回の炎上によって、Y社は謝罪文を掲載することになってしまいました。同じような炎上にあわないためにも、原因と対策について知っていきましょう!
講演内の話題が不適切だとして炎上
2018年4月某日、Y社のエンジニアAは約300人の参加者が集まる会場で講演を行いました。講演中は笑いや拍手が起こるなど、なごやかな雰囲気でした。しかし、講演内容の一部が不適切ではないかと指摘され、後日炎上になってしまったのです。
指摘された内容は、エンジニアAが講演中に発言した「女性エンジニアが少ないため男性エンジニアはやる気が出ない」という部分です。一部のユーザーからは
「女性差別にあたるのではないか!」
「女性をバカにしている」
など、批判的な意見が殺到しました。
炎上に疑問を持つユーザーも
差別的だという意見が多くでる一方で、
「蔑視ではないだろうに。男女逆でも謝罪になるのかな」
「これがもし男女逆の話だったら炎上してなさそうだよね」
「少し過敏になりすぎでは?」
など指摘に疑問を持つユーザーや、炎上自体を不思議に思うユーザーもいて、賛否両論によって情報はさらに拡散していきました。
炎上した3つの原因
原因1:差別的な内容だと思われる表現があったため
講演内容の「女性エンジニアが少ないため男性エンジニアはやる気が出ない」という部分が、女性差別的な表現として指摘され炎上しました。実際にユーザーは
「女性エンジニアは男性エンジニアのやる気を上げるための存在ではない」
「性差別 気持ち悪い」
など、女性差別ではないかと指摘しています。男女の性に関する表現は、「差別的だ!」などと議論に発展しやすいため炎上が大きくなる傾向にあります。
差別的表現が原因で炎上してしまった事例はレピュ研でも、いくつか掲載しています。どういった表現に注意すればよいか、事例をもとにまとめていますのでぜひご覧ください。
原因2:影響力を考えず発言したため
エンジニアAは、発言に大きな影響力があることを十分に認識できていなかったため炎上した可能性があります。
IT会社Yは6,000人を超える大企業であり、さまざまな業界やユーザーから注目されている立場でした。いくら一社員であっても、大規模な講演会であればY社を代表した意見だと思われる可能性があります。実際にユーザーからは
「公で言っちゃダメだよね」
「チェックする体制に問題があるんじゃないか」
「社外の人も見る場なのに……」
といった指摘がありました。指摘意見のなかには、なぜY社はこの講演内容を許可したのか、という疑問の声も上がりました。
原因3:謝罪内容が適切ではなかったため
Y社は騒動のあと、公式サイトに謝罪文を掲載しました。しかし誰に向けての謝罪なのか、どういった表現が不適切だったのか、といった具体性が内容に書かれていなかったため、二次炎上が起きてしまいました。実際にユーザーは
「何が問題だったのか開示しない謝罪としてはいかがなものか」
「ちゃんと経緯も書かんと誰に対しての謝罪なのかわからん」
「具体的にどういう表現をしたのか引用しないと何の謝罪か全然わからんよね」
といった、具体的な言及がないことを指摘する意見が多くありました。
企業として対策できる2つの方法
方法1:内容のチェックを徹底する
今回の炎上事例のように、多くの人前で講演するときは、内容を複数人の社員に確認してもらうのが良いでしょう。多角的な視点でチェックすることによって、自分だけでは気がつかなかった炎上のリスクを見つけられるためです。
他部署や上司、部下に講演内容を確認してもらうことによって、どのような表現が差別的な内容にあたるのか、会社のイメージから大きく外れていないか等を見つけられます。また、内容確認の手段として話し合いの場を設けたり、社内報などで内容を共有したりすることも効果的です。
方法2:謝罪は明確に
謝罪文は分かりやすい文章にしたほうが良いでしょう。今回の謝罪文では、下記3点が具体的ではありませんでした。
・謝罪しなければいけない問題とは何か
・なぜ謝罪が必要な状況に発展したのか
・講演内容の何が不適切な表現だったのか
実際にユーザーも
「何が問題だったのか開示しない謝罪としてはいかがなものか」
「ちゃんと経緯も書かんと誰に対しての謝罪なのかわからん」
「具体的にどういう表現をしたのか引用しないと何の謝罪か全然わからんよね」
と、謝罪文に具体性がない点を指摘していました。謝罪文を書くときは、炎上内容やユーザーの不満点をしっかり把握して作ることが大切です。
レピュ研では、炎上リスクの知識を高めていただくために多くの炎上事例を分析し、その一部を紹介しています。さまざまな事例に触れ、原因や対策を理解することが対策につながります。