ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
8月の炎上リサーチレポート
2020年8月は28件のネット炎上が発生しました。分類としては法人の炎上が8件と最も多く、責任者の不適切な発言や新商品の発売など、企業からの新たな情報発信がきっかけとなった事例が目立ちました。またメディアの炎上も前月と比較して増加しており、特に番組内での発言に批判が集まり炎上に発展することが多かったです。今回のピックアップ炎上は、法人の炎上からアパレルメーカーの事例をご紹介します。
Tシャツのデザインが不適切だとして炎上
アパレルメーカーが販売したTシャツのデザインが女性蔑視だとして炎上しました。Tシャツには口を塞がれた女性が銃を突き付けられている様子や、売春を連想させるイラストが描かれていましたが、発売された今年5月には特に問題視される声もあがりませんでした。しかし発売から3か月以上経った8月、値下げのタイミングで多くの人の目に触れたことやツイッターフェミニズムの動きが活発になっていたことが要因となり、炎上に発展したと考えられます。これら複数の要因が重なったことでTwitterのトレンドに企業名が入ったり、ニュース番組で取り上げられたりするほど大きな話題となりました。
不適切なTシャツを見たユーザーからの意見
実際にTwitterであがった批判は次のようなものでした。これらの意見を受けて企業側はTシャツの販売を中止し謝罪をしています。
【ユーザーからの意見】
「ファミリー向けのブラインドがこんなTシャツを扱うのはおかしい」
「売春や暴力の何がいいのかが分からない」
「ファッションが社会に与える影響をもっと自覚してほしい」
【企業の謝罪内容】
「アンチテーゼがデザインに込められている解釈のもと、
仕入れ販売しておりました」
「販売過程の商品説明において、意図を正確にお伝えするべきでした」
この謝罪に対して、ユーザーからは「責任転換している」「詳しい説明がない」と更に批判が集まり、炎上の収束には時間がかかってしまいました。
自社に関する情報以外の把握も大切
今回ご紹介した事例のように、過去に投稿したものが何らかのきっかけで堀り起されて批判されることは少なくありません。そしてそのきっかけはトレンドや社会情勢であることが多い為、自社に関する情報と並行してそれらの情報を把握しておくことをおすすめします。また炎上後、信頼を取り戻すために行う対応も、適切に行わないと逆効果になってしまい、更なる炎上を招いてしまうことがあります。炎上後、迅速に適切な対応がとれるようにマニュアルや対応フロー、炎上時の注意リストなどを予め準備しておくことが大切です。