ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と特徴的な炎上について解説を行います。
9月炎上リサーチレポート
2020年9月は23件のネット炎上が発生しました。分類としては個人の炎上が9件と最も多く、SNS上に発信した不満・批判の投稿内容が不適切だったことがきっかけとなった事例が目立ちました。法人の炎上に関しては、特にSNS上や番組内で不適切な発言をしたことで批判が集まり、炎上に発展することが多かったです。今回のピックアップ炎上は、メディアの炎上からある報道番組がきっかけで起こった事例をご紹介します。
番組内で使用したグラフが印象操作だとして炎上
ある報道番組内で使用されたコロナウイルスに関するデータが、印象操作をしているとして炎上しました。使用されたグラフは、 日本を含めた5か国を対象に調査したもの で「 新型コロナウイルスに感染した人がいたとしたら、それは本人のせいだと思うかどうか 」という内容でした。日本で「そう思う」と回答した人は約15%と少数でしたが、フリップに描かれたグラフでは実際のデータよりも「そう思う」と回答した人が多く見えるように表現されていたため、問題となりました。番組の放送後には、「詐欺グラフ」というハッシュダグと共にグラフのキャプチャー画像がTwitter上で広がり、拡散数が5万件を超えるほどの大きな炎上へと発展していきました。
不適切なグラフを見たユーザーからの意見
実際にTwitterであがった批判は次のようなものでした。これらの意見を受けてテレビ局は関連するTwitterの公式アカウントで謝罪をしています。
【ユーザーからの意見】
「えげつないほど悪質な印象操作」
「これは騙してやろうという強い意志がなければ作成できない所業」
「TV番組でよくグラフのミスが起こっているが、
回数が多いと意図的にやっているとしか思えない」
【テレビ局の謝罪内容】
「誤解を招く表現がありましたので改めてお伝えします」
「 グラフは0%ではなく80%から始まっていて、日本では『そう思う』と
回答した人が大半を占めているように見える表現となっていました」
「誤った印象を持たせてしまったことを改めてお詫びいたします」
この謝罪に対して、ユーザーからは「誤解を招く表現ではなく明らかな確信犯である」「お詫びなんて少し流しとけばいいと思ってそう」などの批判的な意見や、「今後は正確な報道を望む」といった期待を込めた声があげられていました。
情報発信に潜むリスク
今回はメディアから発生した事例をご紹介しましたが、企業活動の中で行う情報発信でも同様のリスクが発生する可能性があります。誇張した表現、情報の発信は企業の評価を下げ、レピュテーショナルリスクを発生させる原因となることがあるため注意が必要です。あらかじめガイドラインを作成するなどして、常に正確な情報発信ができるようにしておくことが大切です。