レピュテーショナルリスクとは? 失敗事例とその回避策4選を解説

レピュテーショナルリスクとは? 失敗事例とその回避策4選を解説

本記事では、「レピュテーショナルリスクの意味」「原因と事例をもとにした回避策」についてご紹介します。
近年、レピュテーショナルリスクという言葉に注目が集まっています。レピュテーショナルリスクとは、マイナスな評判が広がることにより発生する経営リスクのことです。自分の会社は大丈夫かと不安な方や実際に身に覚えのない評判が拡散されてしまったという企業の方もいるのではないでしょうか。またどこにリスクが潜んでいるのか分からないため、対策の仕方が分からないという方も多いと思います。
今回はそのような方に向けて「レピュテーショナルリスクとは何なのか?」「原因と企業として取るべき行動」について、事例を絡めて解説していきます。ぜひ今後の対策としてご活用ください。

コロナウイルスにまつわる企業のネットリスク事例集

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・コロナウイルスにまつわるネットリスクの事例
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レピュテーショナルリスクの意味とは?

レピュテーショナルリスクの意味とは?

レピュテーショナルリスクとは

レピュテーショナルリスクとは、企業のマイナスな意見が広がることで、社会的信用やブランド価値が下がったり業績が悪化したりする危険性のことです。レピュテーションは「評価・評判」リスクは「危険性」を意味し、「風評リスク」「評判リスク」と表現される場合もあります。インターネット上やメディアなどで批判的な情報が拡散されることで経済的損失や社会的信用が低下してしまうことなどが当てはまり、最悪の場合は倒産してしまうこともあります。拡散される内容は真実だけとは限らず事実と異なる内容もあるため、単なる噂から実際に企業が損害を受けることになった事例も多いです。

なぜレピュテーショナルリスクが重要視されているの?

レピュテーショナルリスクが重要視されるようになった背景として、ソーシャルメディアの普及や情報の多様性により、企業を評価する基準も多様化したことが挙げられます。かつては資金を多く所有しているかどうかを企業の評価基準とすることが多かったですが、近年では社会的信用やブランド価値なども重要視されるようになりました。特に、評価を下げる原因になる否定的な情報は拡散されるスピードが速いため、大きな損害を受けないために対策に力をいれる企業が増えてきたことが考えられます。また、誤った情報により企業の評価を下げないようにするためにもレピュテーショナルリスクを回避する動きが活発になっていると考えられます。

レピュテーショナルリスクが発生する4つの原因とは?

はじめに、レピュテーショナルリスクが発生する4つの原因をご紹介します。
原因を知ることで効果的にリスクを回避することに繋がります。

誤情報の発信・隠蔽

広報活動などで、実際の情報と異なる内容を発信してしまうことでレピュテーショナルリスクを発生させてしまうことがあります。例えば新商品のPRで実際の商品よりも背伸びをした情報を発信することや、不祥事に関する情報を隠蔽することなどが挙げられます。特に不祥事に関する情報の隠蔽が発覚してしまった場合は、マイナスな印象が上書きされ、更なる損失につながることが多いです。

従業員教育不足

SNSの利用について十分な教育を行わなかったことにより、従業員から不適切な情報が発信されてレピュテーショナルリスクが発生してしまうケースもあります。例えばSNS上でコンプライアンスに違反した発言をしてしまうことで、当該従業員だけでなく、企業に対しても批判が殺到し損害を受けることなどが挙げられます。企業のアカウントではなく、従業員個人のアカウントからも過去の投稿から勤務先などが特定される場合があるため注意が必要です。最近では若者による不適切な投稿が問題になっており、SNS慣れしている自分なら大丈夫だろうという傲りがトラブルを引き起こす原因になることは少なくありません。

内部告発

不適切な労働環境や従業員の不正行為の内部告発により、レピュテーショナルリスクが発生してしまうことがあります。働き方改革が進む中で環境を整備していない企業は悪目立ちしてしまい「ブラック企業」と呼ばれ悪い印象を与えることがあります。また企業の評判や評価を確認して就職活動を行う人が増えていることから、優秀な人材を見逃すきっかけにもなりかねません。

口コミやSNS上での評判

消費者の生の声を聞くことができる口コミですが、時に企業にとってマイナスに働いてしまうこともあります。消費者の意見の中にはマイナスな意見が含まれている可能性もあるため、迅速に適切な対応を行う必要があります。誹謗中傷や批判は事実と異なる場合でも拡散されるスピードが速いため、放っておくと企業の大きな損害に繋がってしまうこともあります。

レピュテーショナルリスクの4つの事例

レピュテーショナルリスクの4つの事例

次にレピュテーショナルリスクによって企業に損失が発生した事例を4つご紹介します。原因はさまざまで、ときに企業が予期せぬことがリスク発生の引き金となることもあります。

宅配ピザ店

大手チェーンのフランチャイズ店舗である宅配ピザ店の従業員がインターネット上に公開した写真が不適切であると批判を受けました。従業員が冷蔵庫に体を入れる写真やシンクに座り込む写真が投稿され、その後Twitterやブログにも掲載されてしまい瞬く間に拡散され、炎上してしまいました。

「食品を扱う従業員のやることではない」「モラルや常識がない」という声が集まり、公式ホームページで謝罪しましたが信用を回復することはできずお店を閉めることになりました。

ストレッチ専門店

ストレッチ専門店のフランチャイズ経営をしている企業の元従業員が求人情報サイトに不正アクセスし、偽造した情報を掲載した事例を紹介します。掲載されたのは次のような内容です。

「残業代は一切出しません。それでも覚悟のある方のみご応募ください。」
「新型コロナだって体調管理ができていない証拠。」

掲載されたのは事実無根の情報であったにも関わらず、「二度と行かない」「ブラック企業だ」という非難の声が集まりました。その後公式ホームページや運営元社長が公式Twitter・公式ホームページで謝罪を行いましたが、運営元や、求人情報を掲載している企業にも大きな影響を与えてしまったため、社長が辞任に追い込まれることになりました。

家電量販店

大手家電量販店でコロナウイルス感染者が出たことを隠蔽し、営業を続けていたことが従業員に告発され、炎上しました。従業員によってTwitter上に告発されたのは次のような内容です。

「○○でコロナ感染者を確認していますが、公に出ないようにように隠蔽しています。」
「緊急事態宣言にも関わらず本日も通常営業をしております。」

この投稿は瞬く間に拡散され、「コロナ感染者が出たことではなく、隠蔽していることが問題」という声が集まりました。その他にも内部告発をする人が増え、不正などが明るみになり、社会的信用が低下しました。

コロナウイルスにまつわる企業のネットリスク事例集

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銀行

50年程前には、銀行が倒産するという事実無根の噂が広がり本当に倒産しかけた事例がありました。広がった噂は次のような内容です。

「経営状態が危ない」
「もうすぐ潰れる」
「預金を下ろした方がいい」

銀行側が噂に気付くのが遅かったため、正しい情報を公開しても浸透するのに時間がかかってしまいました。もし現代社会で類似の事例が発生し、拡散されるスピードが速いSNSで噂が広まっていた場合、本当に倒産に追い込まれるかもしれません。

レピュテーショナルリスクを回避する方法4選!

レピュテーショナルリスクを回避する方法4選!

ご紹介した発生要因・事例を踏まえて、レピュテーショナルリスクを回避する方法を4つご紹介します。
レピュテーショナルリスクを発生させない為に企業として日頃から対策を行うことが大切です。

広報活動の強化

レピュテーショナルリスクを防ぐためにはまず広報活動の強化が必要になってきます。
「会社の顔」といわれることもある広報は主に情報発信を行い、社会と企業を繋ぐ重要な役割を担うことから重要視されることが多いです。しかし、誤った情報を発信してしまうことで企業に損害が生じることも少なくありません。身の丈に合わない背伸びをした情報の発信や、不祥事に関する情報隠蔽によりレピュテーショナルリスクが発生する可能性が高くなるので、日常的に正しい情報発信やコミュニケーション活動をすることを心がけておきましょう。

従業員教育

従業員のSNS上の不適切な発言による企業活動への悪影響がないように、SNSの利用方法についてしっかりと教育を行う必要があります。
従業員個人のアカウントでも不適切な発言をすれば過去の投稿などから個人情報や勤務先が特定をされてしまう場合もあるため、企業としての監督責任を問われてしまうことも少なくありません。SNSに潜む危険性や、SNS利用を誤ったことにより従業員が負わされた責任など、事例を絡めた教育を行うことでレピュテーショナルリスクの発生を抑える効果が期待できます。パートやアルバイトなどを多く雇っている会社では、全員に教育内容を浸透させるのが特に難しいため、時間をかけて丁寧に行うことが大切です。

SNS教育のプログラム策定ポイント4つと実施例

SNS教育のポイント4つと実施例

・SNS教育の意義や効果
・SNS教育実施前に決めておきたいこと
・対象者ごとのプログラム策定ポイント

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働く環境の整備

従業員や関係者などから不正行為や働き方について内部告発をされないように、働く環境をしっかりと整備しなければなりません。
働き方に関する話題が多くあがる中、従業員の内部告発によるレピュテーショナルリスクは特に高まっているといえます。長時間の労働や残業代が支払われないなど「ブラック企業」と呼ばれてしまうような労働環境は、インターネット上に公開、拡散されてしまい企業の社会的信用を低下させることに繋がります。また、就職・転職活動の際に企業の評判を気にする人も増えていることから、優秀な人材を逃さないためにも、働く環境の整備はとても重要です。

企業の評判調査

マイナスな意見の拡散を防ぎ、企業が受ける損害を最小限に抑えるためにも企業の評判をしっかり調査しておく必要があります。
消費者の生の声が分かる口コミやSNS上の意見は時に企業にとってデメリットになってしまうこともあります。事実無根の悪評や誹謗中傷が発信されてしまった場合は、レピュテーショナルリスクが発生してしまうことがあるためです。マイナスな意見は拡散されるスピードが特に速いため、迅速に対応を行わなければ経済的損害や社会的信用を低下させてしまいます。
損害を最小限に抑えるためにも企業の評価・評判を日常的に監視し、マイナスな意見に対して迅速に対応することが大切です。

リスクに備えるために企業としてできること

リスクに備えるために企業としてできること

ネット監視

「レピュテーショナルリスクを回避する方法4選!」の実践に加えてネット上の情報監視を行うことも対策方法の1つです。
企業や商品の評価・評価を日常的に監視するのは容易なことではないと思います。しかし監視を怠ってしまうと、万が一ネガティブな情報が発信されてしまった場合に対応が遅れ、損害が拡大してしまう可能性があります。誤ったネガティブな情報の拡散は企業にとって経済的・社会的に悪影響を及ぼすこともあるため、情報の早期発見により拡散を防止することでリスクを最小限に抑える効果が期待できます。

4つのSTEPから学ぶ効果的なSNS監視のためのガイドブック

効果的なSNS監視のためのガイドブック

・監視をする前に決めること
・監視の実施方法
・社内で監視するときの注意点

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レピュテーショナルリスク発生後に備える

対策を行っていても、リスクを完全に防ぐことは難しいため、万が一に備えておくことも大切です。
リスクが発生してしまった時は、メディアに向けて情報開示や謝罪を行うことが必要な場合もありますが、メディアに対する訓練を行っていないことで間違った対応をしてしまい、更なる損害の拡大が起こるケースも少なくありません。
そのため万が一のリスク発生に備えてメディアやステークホルダーに向けて情報発信するためのトレーニングが重要となります。

レピュ研を運営するジールコミュニケーションズでは、ご紹介したようなレピュテーショナルリスクに関するお悩みを軽減できるサービスをご用意しております。「会社に関する情報の監視がしきれていないから不安」「万が一に備えてトレーニングをしておきたい」という方は是非お気軽にお問い合わせください。

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