ネット炎上事例として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上の解説を行います。
12月炎上リサーチレポート
2017年11月のネット炎上件数は86件であり、2017年10月の85件と比べると1件増えました。またカテゴリー別では、国・政治関係の炎上が10月と比べて6件(11.3%)減りました。2017年9月10月は衆議院選もあり、政治関連の炎上が多く見られましたが、11月に入ると落ち着いてきた印象です。11月で一番多かった炎上は法人関係で、19件(22.1 %)ありました。企業の責任者が起こした事件や不祥事が、SNS上で話題となり炎上につながるものが多い印象でした。続いて、2番目に多かった炎上カテゴリーはエンタメ関係で、18件(20.9%)でした。
2017年12月にピックアップする炎上は、法人社長がツイッターで不適切な発言をして炎上になった事例です。12月は、法人社長が不適切発言で炎上する事件が2件おきています。また、不適切発言の内容は2件とも、労働体制についてでした。年末は19年度卒業学生の就活が本格的に始まるころです。ネガティブな事件は起こしたくないですね。
12月炎上事例ピックアップ
ツイッターで法人社長が長時間労働の実態を暴露?
2017年11月のとある日、ツイッター上にこんな投稿がされました。
月の残業が80時間超えると時間が止まる。
これは、残業時間が多いことを、皮肉めいた例えで表したようです。この投稿に対し、某建設会社Kホームの社長であるAさんが、ツイッターで次のように返信しました。
80時間で何をおっしゃる。190時間超えてからですよ。
すると、この投稿をみたツイッターユーザーから「労働基準法違反ではないですか?」「社長が自らブラック宣言!」などというコメントが多くよせられ、炎上状態になってしまいました。労働基準法では、月の残業時間の上限が45時間と定められており、堂々と労働基準法を違反しているような発言をしていたからのようです。
ネット上で勘違いされる発言は危険
実のところ「80時間で何をおっしゃる!190時間超えてからですよ」という投稿の本当の意味は、「Kホームの従業員に190時間を超える残業を強いている」わけではなく「社長である自分自身が190時間の残業をしている」という意味だったのです。
しかし多くのユーザーは「この社長は、従業員に残業をしいているのではないか」と思ったため、Kホームの社長Aさんは炎上してしまいました。なお、労働基準法は、経営者には適用されないため、社長であるAさんが残業を多くすることは違法ではなかったようです。
Kホーム社長のAさんは、日ごろから冗談や皮肉めいた発言をしていましたが、ここまで反響があったのは初めてのようで「ツイッターの通知がなりやまない!」「携帯電話に非通知がかかってくる」などと、炎上状態に困惑しているような投稿もありました。ネット上は不特定多数の人が見ています。ネット上で勘違いされるような過激な発言は控えたほうがいいでしょう。
発言の責任を管理しよう
SNSの投稿は、不快な思いをする人が少しでもいれば、炎上になる可能性があります。SNSに慣れてしまうと、不特定多数の人が見ているという事実を忘れてしまい、勘違いされるような不適切な発言や、配慮のない冗談など、プライベートよりな発言をしてしまう人がいるので注意が必要です。
また、本名や法人名を出してSNSを使うときは、1つ1つの発言に多くの責任がともないます。もし炎上してしまったとき、批判や怒りの矛先が向かってくるためです。法人の場合はイメージダウンや売上・信用低下に繋がりかねません。SNSで会社名や個人名を出し、宣伝活動やお客様とのコミュニケーションとして運用するときは、しっかりとした知識をつけ、正しいマーケティング戦略につなげる取り組みが重要です。
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