ネット炎上事例として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
11月炎上リサーチレポート
2017年10月のネット炎上件数は85件であり、2017年9月の86件と比べると1件減りました。またカテゴリー別では、法人の炎上が9件(21%)減り、一般個人の炎上が6件(29%)増えていました。2017年10月で一番多かった炎上はエンタメ関係で、20件(23.5 %)ありました。芸能人がテレビやネットで不適切な発言をしたことが、SNS上で話題となり炎上につながるものが多い印象でした。続いて、2番目に多かった炎上カテゴリーは法人関係で、17件(20.0%)でした。
今月ピックアップした炎上は、大学教授が、新聞社提供のネットコラム内で、ヒーローをバカにしたことから炎上した事件です。大学教授個人の不適切な発言で、新聞社、大学、個人の3つのカテゴリーに影響のある炎上であり、珍しいものでした。
11月炎上事例ピックアップ
「平和ボケ」をヒーローで例えた大学教授に批判殺到
大学教授のAさんは、某大学の国際学部でアメリカ政治や、日米政治文化比較などを専門に教えています。テレビなどにも出演するなど、各方面でコメンテーターとしても活躍している人気のある方でした。しかし、あるネットコラムでの発言で、多くの人から批判が殺到する炎上当事者になってしまいました。
コラムの内容は「北朝鮮のミサイルに対しての日本とアメリカの対応」というものでした。その中で、日本は他国からの攻撃危機感が薄く「平和ボケ」してしまっていると説いています。また「平和ボケ」の理由として、日本には「ウルトラマン症候群」があると発言していました。
「ウルトラマン症候群」とは、本当に困ったとき、最後には正義の味方が現れると信じているという考えかた。
ウルトラマンは宇宙人だが、アメリカヒーローのバットマンは人間で、特別な衣装を身につけることで強くなる。アメリカのヒーローは、道具つまりは軍事力が人を強くするが、日本はどこからともなく正義の味方がやってくる他力本願である。
などと、日本とアメリカの危機感の違いを、各国のヒーローからわかりやすく解説したものでした。しかし、実はこの各国のヒーロー感は、間違った知識からの意見であったことがわかりました。
コラムを見たファンたちから怒りのコメントが殺到
コラムを見たウルトラマンのファンユーザーたちは「何もわかっていない!」「知ったかぶりして愚かな例え話をしないでください!」などと、AさんのTwitterに怒りのコメントを寄せました。
ウルトラマンは科学特別捜査隊の隊員が姿を変えているため「どこからともなく」やって来るわけではない。ウルトラマンがいない時でも科学特別捜査隊(架空の防衛組織)は日々敵と戦い続けている。ウルトラマンが敵に敗れた時は隊員が退治している。ウルトラマンのテーマは「真の平和は人間の手で守らなければならない」人間が懸命に努力する話しである。
本当は他力本願ではないウルトラマンの話しを、独自の解釈で述べてしまったAさんに対し、ファンユーザーからは怒りのコメントが殺到し、Twitter上では大炎上状態になってしまいました。また、ウルトラマンだけでなく、アメリカのヒーローに対しても独自の解釈で話したことが、さらに批判を殺到させる事態になってしまいました。
スーパーマンは宇宙人。スパイダーマンの能力は、ほぼ特殊な蜘蛛にかまれたことに由来する。バットマンも肉体的な鍛錬が能力の由来で、服や道具は補助的。 論旨はともかく、事前に調べるべきでは?
多くのヒーローファンを敵に回してしまったAさんですが、炎上から約1ヶ月経っても、無言をつらぬいており、各方面の方への謝罪などは行っていない状態です。
炎上したあとの被害とは
個人が炎上したときの飛び火
今回、大学教授のAさんのコラムが炎上したことで、信憑性のないコラムを配信したネットコラム企業の信用度は低下し、Twitterを頻繁に使っている若い世代は不信感を持ってしまったようです。また、Aさんが所属している大学のイメージにも少なからず影響があったのではないでしょうか。個人のネット炎上から、企業のイメージや所属している機関への信頼は低下してしまうことがあります。
個人のネット炎上では、別事例として、知識の無いネット評論家が不適切な発言をして炎上した事例をまとめています。合わせてお読みください。
正しい情報を発信していくために
今回の炎上は、知識なく物事を批判したことが原因だと考えられます。間違った知識による例え話は、ファンを傷つけるとともに、多くの人を混乱に陥れる可能性があることを忘れてはいけません。また、多くの人がみるネットコラムやメディアで物事を述べるときは、サイト運営側も、間違った知識で論じていないか、載せる記事を今一度確認することが大切かもしれませんね。
正しい知識で論理的に述べれば、たとえその論述が皮肉じみたものだとしても、1つの意見として受け入れられたでしょう。企業だけでなく個人でも、ネット上での発言に責任をもつことが重要です。
■SNSで炎上してしまったときの対処とは?
>SNS炎上の流れと炎上したあとの3つの対策方法
■大学教授が間違ったSNSの使い方をして炎上した事例を解説しています。
>授業をサボった生徒を晒し者に?教師の行動に賛否両論!
■炎上に参加する人たちの正体を詳しく分析しています。
>炎上に参加する人たちの正体とは?行動パターンと心理