炎上事例をもとに、原因と対策を解説します。今回は、テレビメディアが報じた新卒社員の「ブラック研修」の内容が、炎上したケースをご紹介します。
今回の炎上では、炎上被害にあった企業や人などはいませんでした。しかし、人々が「ブラック研修」「ブラック会社」に厳しい意見を持っているのが明らかになりました。同じような失敗や炎上にならないためにも、原因と対策について知っていきましょう!
目次
「叱られ方研修」の内容がネットで炎上
2018年3月某日に、ニュース番組内で取り上げられた就活生向けセミナー「叱られ方研修」の内容がブラックすぎると、ネットで炎上になっています。その内容は、
「言われ方(叱られ方)に左右されずに、その言葉の『本質』を理解すること」
「例えば、上司の『いつまでチンタラ仕事をやってるんだ!!』は『仕事のやり方を変える必要がある』と理解すること」
「上司の『突然話しかけてくるんじゃねーよ』は『別の時間に話す必要がある』と理解する」
などと、言葉使いが荒い上司からの暴言を受け止め、言葉の本質を理解することを教えるものでした。この内容にネット上では、
「叱られ方研修の前に、まず上司が言葉使いの研修を受けるべき!」
「これは、上司のパワハラに耐える研修の間違い?」
「こんなこと言われる会社なら、自分が変わるより普通に転職したほうがいい」
などと、研修の内容に疑問を訴えるひとが多くいました。
研修の理由はコミュニケーション能力の向上?
番組内では、叱られ方研修の目的を、コミュニケーション能力の向上であると説明していました。なぜなら、企業が選考時に最も重視するのが、コミュニケーション能力だからだそうです。番組内では「叱られ方研修」だけではなく、新卒向けのコミュニケーション能力の向上を目的とした研修セミナーが多く開催されていると伝えていました。ネットでは、
「自分がコミュ力無いから新人に『察して』と押し付けてくる会社はどうなの?」
「新卒に研修させるより、上司を育てる研修をするほうがいいのでは?そうすれば、上司から部下(新卒)に研修内容が伝わって一石二鳥なのに…自分が変わるより相手が変われという体制自体がブラック」
など、新卒研修のあり方に疑問の声が上がりました。
新卒研修に「胡散臭い」と疑問の声
ネットでは「叱られ方研修」を行う側に
「知識があれば、こんな研修はしない」
「こんな道理に合わない研修意味がない」
とプチ炎上がおきていました。その原因についてまとめてみました。
人は暴言を吐かれると「処理能力が下がる」ことを知らない
2018年2月某日に、ツイッターで「暴言を吐かれると処理能力が下がる」という内容のツイートがされ、話題となりました。元となる情報は2009年に研究発表された論文です。
✔直接暴言を吐かれた人は処理能力が61%、創造性58%落ちる。
✔自分の属しているグループに暴言を吐かれた人は処理能力が33%、創造性39%落ちる。
✔他人が暴言を吐かれるのを目撃しただけでも処理能力が33%、創造性39%落ちる。
僕は暴言が大嫌い。 pic.twitter.com/lUG367qK7c
— ブルゾンみきお (@OOHORI_bicycle) February 13, 2018
このツイートは、3万件を超える拡散がされています。また、多くのまとめサイトにもまとめられており、注目されている情報の1つでした。
今回の「叱られ方研修」では、?られる前提で話を進めています。また、叱るというよりも「暴言」のような言葉使いの上司も例題で出てきていました。このことから、ネット上で「研修の主催者側」への批判が出たのではないでしょうか。
「人は暴言を吐かれると「処理能力が下がる」ことを知らないのか」
「知識があれば、こんな研修はしない」
「こんな矛盾している研修セミナーに需要があることに疑問を感じる…胡散臭い!」
2月~5月に企業炎上が起こりやすい2つの理由
各年2月~5月にかけて、企業の「ブラック研修」「ブラック社風」などで炎上が多くあります。なぜ企業のブラック炎上がおこってしまうのでしょうか。
理由1:「就活」が旬の話題なため注目されやすいから
2~3月始めは就活シーズンまっただ中であり、就活生をはじめとする多くの人が「就活」関連の話題に注目しています。また、各メディアでも旬な話題である「就活」関連の話題を取り上げています。そのため、ネガティブな意見の「ブラック研修」「ブラック社風」にも普段より敏感に反応されてしまいます。
理由2:新卒の不満がたまってくる時期だから
5月になると、新卒が仕事にも慣れ始め、不満がたまってくるころです。新卒の一部がSNSで会社情報をつぶやいたり、会社に対する疑問や不満をSNSを通じて他人に投げかけたりすることで、炎上になるケースがあります。5月からの時期は、特に企業の昔からある体制や風習を見直さないと、1つの誤解や間違いで、大炎上になることもあるので注意が必要です。
企業のブラック炎上についての記事も合わせてご覧ください。
■2017年4月にブラック研修で炎上になった事例を紹介します。
>新入社員が本を売り歩く「ブラック研修」で炎上
■2018年3月にブラック社風で炎上になった事例を紹介します。
>「素手でトイレ掃除」を社員教育とする企業が炎上
企業のブラック炎上には2種類の告発がある
企業のブラック炎上の多くは「ネット告発」が火種になっています。また、炎上分析している中で、ブラック体制炎上のネット告発は「本人告発」と「発見者告発」の2種類あるのがわかりました。
本人告発とは
本人告発とは、会社にブラックな対応をされた本人が、ネットで会社名を出して告発することです。
例:「●●株式会社は、パワハラを野放しにする会社です!」
本人告発は、会社に個人を特定されるリスクが高いため、数は多くありません。
発見者告発とは
発見者告発とは、他社のブラック体制を目撃した人、発見した人が、ネット上に告発することです。
例:「●●株式会社の、教育理念が洗脳のようで怖い!これはブラックかも?」
発見者告発は、発見者の主観が入り、内容が間違っていたり、誤解されたりすることがあります。その場合、告発された会社が風評被害にあってしまう恐れがあります。
法人ができる3つの炎上対策
炎上対策1:会社の体制・風習の見直しをする
新卒や既存社員の意見を交え、会社の体制・風習の見直しを検討しましょう。会社の昔からある体制や風習に慣れてしまうと、人は感覚が麻痺することがあります。「会社でいつも習慣にしていること」「ルーチン化していること」が、本当に必要か、効率的な仕事に繋がっているか見直す必要があります。定期的な会社の体制・風習の見直しによって、告発による炎上を防ぐことができるでしょう。
炎上対策2:職場満足度アンケートを導入する
職場満足度アンケートを導入して、ネットへの告発書き込みを抑える仕組み作りをしましょう。告発の炎上分析をしている中で、ネットは普段言えない会社への不満のたまり場となっていることがわかりました。そのため、普段言えない不満をネットに書かれてしまう前に、匿名アンケートを導入し、職場改善を行うのをおすすめします。
無料で匿名アンケートを手軽に作れるアプリケーションや、本格的に職場満足度を分析してくれる会社など、方法は多くあります。職場改善で、ネット告発のリスクをなくしていきましょう。
炎上対策3:ネット炎上補償サービスを導入する
レピュ研では、ネット炎上の補償サービスを提供しています。内容は、クライアントに合わせて変化していきます。
例えば「新卒者のSNSへのネガティブな書き込みが気になる」「就活掲示板での悪い印象を与える書き込みが気になる」などの悩みをもつ法人の場合「ネット監視システム」を使った予防策を提案します。ネット監視システムとは、SNSや掲示板の「会社名」+「ネガティブワード」を24時間で監視するものです。
ネット炎上によって、法人のイメージが低下すると「思うように就活生が集まらない」「離職率があがった」と、なりかねません。炎上補償サービスの詳しい説明などは、お気軽にご相談ください。
炎上が拡散する前に防ぐ方法があります!
・ネットの情報を徹底的に監視して情報をキャッチ
・情報の分析結果をレポートでお届け
・万が一の炎上発生時も手厚いコンサルティング
■炎上が起こるのメカニズムについて詳しく解説しています。
>ネット炎上のメカニズムと2017年炎上事例5パターン
■10代の若い女性を中心に人気なインスタグラムの炎上事例をまとめました。
>他のSNS炎上とは違う!インスタグラムの炎上する4つの事例
■IT会社が、就活生を男女差別したとして炎上事例を紹介します。
>就活生がネット告発!男女差別をする企業が炎上!