本記事では、2019年、2020年に発生した二次炎上の事例を分析し、2021年に押さえておくべき危機管理の知識とその対応方法について解説します。
炎上を予防するために対策を行っていても、炎上を完全に防ぐことはできません。さらに問題なのは、炎上後の対応を怠ったことによる二次炎上への発展です。炎上が長期化すると、その分企業のネガティブな情報がネット上に拡散されてしまい、鎮火するまでに時間がかかってしまうため、炎上に対して早期対応できる準備を行うことが大切です。
しかし、どのような対応方法に批判が集まってしまうのか分からないご担当者様も多いのではないでしょうか。
今回はそのような方に向けて、炎上の対応ミスによって発生した二次炎上の事例と問題点について解説します。炎上による損害を最小限に抑えるためにも正しい対応方法を身につけましょう。
二次炎上とは?
二次炎上とは、ネット上でユーザーや顧客から批判が集まる‟炎上”が発生した後、その当事者が炎上を鎮火させるために取った言動に批判が集まり、更なる炎上に発展することを指します。二次炎上に発展する原因としては、非を認めない言動や謝罪時の不適切な言動などがきっかけとなることが多く、記者会見の対応や服装が問題視され二次炎上に発展することもあります。
二次炎上が発生する原因
二次炎上が発生する背景にはSNSの普及が関係しています。SNS上のネガティブ情報は急激なスピードで拡散される傾向があり、炎上の原因を知らない第三者でもSNSを通して当事者にマイナスなイメージを持ってしまうことが多いです。また、炎上の内容によってはメディアに取り上げられることもあり、企業の対応方法に注目が集まってしまうことも要因の1つです。二次炎上に発展すると炎上が長期化し、社会的信用の低下や売り上げ減少、株価暴落など、様々な影響が考えられるため、迅速かつ適切な対応を行う必要があります。
対応ミスで二次炎上に発展した法人炎上2選
2019年発生!生命保険会社の二次炎上
ある生命保険会社で顧客に不利益になるような契約を結んでいたことが発覚し炎上しました。この企業は、度々メディアに契約方法が不適切であることが疑われていたため社内調査を行ったところ、高齢者を中心に約18万件の不正契約を行っていたことが明らかになりました。発覚後、Twitter上では批判が殺到し、複数のメディアに取り上げられ記者会見を開くこととなりました。しかし、記者会見で登壇した経営者が、報告書を読まずに会見に臨んでいたことや横柄な態度をとっていたことが問題視され二次炎上へと発展する結果となりました。
2020年発生!健康食品メーカーの二次炎上
ある健康食品メーカーが提供するプロテインバーの中に虫が混入していたことで炎上しました。商品を購入した男性がSNSに画像、動画付きで投稿したことで発覚した事例ですが、当該企業の対応が不適切だったことが原因で二次炎上に発展しました。当該企業の不適切な対応は、次の通りです。
- 初期対応が遅かった
- 公開した謝罪文の冒頭に謝罪がなかった
- 謝罪文中に、責任転嫁している文章が記載されていた
- 虫が混入した真相を明らかにしていない
- 公式SNSに投稿した謝罪文のみ、コメントできない仕様に設定していた
炎上を鎮火させるための対応も、適切な対応が行われないと更なる炎上を発生させてしまいます。また、責任転嫁するような表現は、企業イメージが大幅に低下させる可能性があるため注意が必要です。
2021年の炎上に備えて
2019年、2020年の法人炎上は
2019年、2020年に発生した二次炎上では、対応方法や謝罪文が不適切だったことがきっかけとなり二次炎上に発展した事例でした。企業が公開する謝罪文に不適切な内容を記載してしまうと更なる批判を呼ぶ可能性が高くなるため注意が必要です。また、記者会見を開くタイミングや、会見中の言動なども批判される対象となるため、謝罪対応の質を高めておくことが重要になります。
2021年の法人炎上は
SNSが普及する前と比べて企業の炎上が増えている今、炎上の予防と並行して世間が納得する対応方法を身につける必要があります。迅速な初期対応が行えるようなネット監視体制は整っているか、謝罪文の内容に問題はないか、記者会見の準備は整っているかなど、正しい対応方法を予め企業内で定めておきましょう。また、定めた内容に問題がないか定期的にブラッシュアップすることも大切です。過去の炎上事例や社会情勢などの情報を元に、適切な対応方法を身に着けましょう。