ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
10月の炎上リサーチレポート
2020年10月に起こったネット炎上は計24件で、その内「一般個人」「エンタメ」に分類される事例が共に6件と多い結果となりました。エンタメに関する炎上では、騒動後の対応が不適切だったことがきっかけとなった事例が目立っています。また企業にまつわる炎上では、商品やサービスに対する批判意見や不適切な情報発信が原因となったケースが多く発生しました。今回のピックアップ炎上は、法人の炎上から、ある大手外食チェーン店で起こった事例をご紹介します。
異物混入に対するの企業側の対応が不適切だとして炎上
大手外食チェーン店の異物混入に対する対応が不適切だとして炎上しました。ある男性がUber Eats経由で、このチェーン店が提供するお弁当を注文しましたが、絆創膏が混入していたため店舗に直接電話したところ、
「Uber Eats経由で頼んだので返品は不可」
「返金をするので再度頼んでほしい」
「(しかし)今日は忙しくて出来ない、商品も作れない」
と異物混入に対して不適切な対応をされました。男性が一連の経緯と混入した絆創膏の写真をTwitter上に投稿したたため、企業側の対応が酷すぎると多くの批判が殺到しました。
企業側の不適切な対応を知ったユーザーからの意見
実際にTwitterであがった批判は次のようなものでした。これらの意見を受けて企業側は男性に対して謝罪を行い、メディアの取材に対して事実説明をおこなっています。
【ユーザーからの意見】
「会社全体の質を疑ってしまう」
「”Uber Eatsの店員のせいで異物が混入した”ような言い方をしている」
「衛生面的に考えられない」
「食べ物に絆創膏が入っている可能性があるお店には行きたくない」
【企業側の対応】
■男性客に向けて
・男性に新しい商品を届けなおした
・社長が直接男性宅へ行き、謝罪を行った
■メディア取材での事実説明
・調理担当者が絆創膏を使用していた
・絆創膏は調理中に混入したのではなく、 弁当を梱包する際に混入した可能性がある
・そのため揚げ物油の交換は行っていない
ユーザーからの意見を受け「社長が直接謝罪を行うのは神対応だ」と企業側の対応に称賛する声があがっている中、「男性の写真をみるからに絆創膏は調理中に混入している」「絆創膏が混入した可能性のある油の交換を行わないのはおかしい」など、企業の事実説明に対して多くの人が不信感を抱く結果となりました。
危機発生時に備えた準備
今回ご紹介した事例は、異物混入が発覚した後の企業側の対応が不適切だったことにより発生した炎上だったと言えます。炎上を防ぐための対策ももちろんですが、このような危機発生時に備えた社内体制を整えておくことも対策として重要になります。対応方法についてのマニュアルを作成し、必要部署・支店に共有するなどの対策をしておくことをおすすめします。また、定めたマニュアルがきちんと効果を発揮しているのか、定期的にブラッシュアップしていくことも大切です。