炎上事例をもとに、原因と理由を解説します。今回は、災害発生時に炎上した代表的な4つの事例を紹介します。
2018年9月は、台風や地震による災害が多く起きました。災害時に情報をリアルタイムで受けとりやすいという点で、SNSはよく使われています。しかし手軽に情報を送ったり受けたりできるがゆえに、一般個人でも炎上が起きやすいです。実際に、災害時に発信する情報の内容や発信方法が原因で、多くの炎上が起きています。
そこで今回は、災害発生時に起きた4つの炎上事例をもとに、原因と対策について解説します。
災害発生時に起きた4つの炎上事例
事例1:自撮り写真を添付し炎上
とある議員の台風被害を心配する投稿が炎上した事例です。投稿に自撮り写真が添付されていたからです。この投稿に対して、
「台風が来てるのに自撮りというセンスのなさ」
「心配してそうに見えない」
など、不快感を抱くユーザーが多くいました。この事例以外にも、台風被害の心配とともに自撮り写真が添付されている投稿は多くあります。これに対し、
「不謹慎だ」
「情報収集の邪魔になる」
など、正確な状況を知るための邪魔になると、不満に思っているユーザーが多くいます。
事例2:デマを拡散し炎上
地震発生時の政党の投稿に、批判が殺到して炎上した事例です。発信した情報の「地震による停電のため断水になるかもしれない」という内容が、デマだったからです。ユーザーからは
「情報管理が甘すぎる」
「自分たちの責任、影響力を考えて」
など、影響力を考えた上で、事実確認の徹底をしてほしいという意見が集まりました。また、この件で政党は謝罪文を出しましたが「謝罪だとは思えない」という意見が殺到し、二次炎上となりました。
事例3:台風のなか配達を決行し炎上
超大型の台風が上陸したとき、デリバリー会社が商品の配達を従業員にさせたとして炎上した事例です。外出するのを極力控えたほうがよいとニュースが多く報道しているなか、従業員に配達させ、バイクが横転したためです。ユーザーは、
「状況に応じて宅配は中止するべき」
「注文する方も問題」
など、お店と注文者の両方に対して批判的意見を上げていました。
事例4:台風中継に批判が殺到し炎上
台風のなか、アナウンサーに現地取材を行わせて炎上した事例です。当時、外出を控えてほしいと警告が出るほどの台風だったのにも関わらず中継を行ったためです。実際に
「わざわざ危険なことしてまで中継とかいらんと思う。アナウンサーが危険」
「絵になるのかもしれないけれど、いつ強風や豪雨がマシになるかの詳細が欲しい」
など、台風中継の必要性や安全性に対して疑問をもつユーザーが多くいました。またユーザーの求める情報と、発信された情報にズレが生じたことも炎上の原因の一つでしょう。
災害発生時に炎上が起きやすい理由とは
正しい情報が必要とされているため
災害が起きたときは、いつも以上に人々は情報に敏感で、正しい情報を必要としています。災害時は現場対応にスピードや正確さが求められ、間違っていたり嘘だったりすると、現場が混乱し人命に関わってくるためです。情報が間違っていると、避難してはいけない場所に人が集まってしまったり、本当に必要な場所に支援が届かなくなる可能性があります。
普段以上に正しい情報が必要とされているため、間違った情報の拡散が原因で炎上した事例が他にもあります。
炎上を防ぐためにできる4つの対策
対策1:事実確認を徹底する
発信しようとしている情報が、本当に正しい情報なのか確かめることが大切です。災害時は、正しい情報が必要とされているからです。間違った情報で混乱をまねかないために、細心の注意をはらいましょう。誰が発信した情報なのか、いつ投稿された情報なのかという点を気にすると良いでしょう。信頼できる発信源なのか調べたうえで、情報の発信やシェアを行っていくことが必要です。
対策2:情報発信の前に影響力を考える
自分の発信した情報に、どれだけの影響力があるか考える必要があります。影響力があるユーザーの発言は、短時間で多くのユーザーに拡散されるため、責任がともなうからです。SNSであれば、フォロワー数が多ければ多いほど影響力があると言えるでしょう。一般的にフォロワー数が1万人を超えると、より影響力のあるユーザーだと認識されます。しかし、タイムリーな話題であれば、フォロワー数が少ないユーザーでも、拡散される可能性は大いにあります。一度投稿したら、フォロワー数に限らず拡散される可能性があるということを認識しましょう。
対策3:訂正や謝罪は分かった時点で行う
発信した情報が間違っていた場合、間違いが判明した時点で訂正し謝罪を行うと良いでしょう。ユーザーは正しい情報を必要としているため、他の投稿よりも優先順位を上げて投稿する必要があります。SNS上では、情報の拡散速度がはやいため、あっという間に多くのユーザーの目に間違った情報が触れることになります。間違った情報での被害を最小限に防ぐために、訂正や謝罪は分かった時点で迅速に行うと良いでしょう。ユーザーの混乱を解き、謝罪することを第一に考えることが大切です。
対策4:安全性を考えた対応をする
災害が起きた際は、安全性を一番に考えた対策を実行する必要があります。炎上事例で紹介した台風中継でも、「安全性を確保して対応してるのかな?」と疑問をもつユーザーが多数いました。災害時に安全な対応ができるよう、事前のマニュアルを設定しておくことが手段の一つとしてあげられます。マニュアルを作成しておくことで、どの社員でも同じような対応ができたり、迅速に行動にうつせたりします。また、従業員を大切にしているというイメージでユーザーの安心感も得られるでしょう。
まとめ
災害発生時は、正誤問わず多くの情報であふれます。手軽に情報発信ができるからこそ、共有する前に正しい情報なのか確認することが大切です。また、さまざまな炎上事例に触れ、対策方法を知ることも炎上予防につながります。