【2022年4月】企業炎上調査分析レポート

本レポートはレピュ研を運営する株式会社ジールコミュニケーションズが、独自の調査から「企業の炎上」として判別した事例の分析内容です。先月特に目立っていた炎上事例とその発生要因を解説し、月間を通してどのような傾向、トレンドが見られるのか解説しています。
企業におけるWeb・SNS、及びレピュテーショナルリスクの管理、評価、対策等に活用していただくことを目的として毎月発表しております。

2022年4月の炎上件数の推移

ジールコミュニケーションズの独自調査・判定より、2022年4月の炎上件数は27件となりました。炎上タイプの内訳は下グラフの通りです。

2021年11月にピークを迎えたと思われた炎上件数ですが、2022年2月からまた徐々に増加傾向にあり、4月でまたピーク時に近い炎上件数が発生することとなりました。冬が明けて春となり、新型コロナウィルス感染に関する規制も緩和しつつある今、SNS上においても人々の活動がより活発化してきていることが伺えます。

エイプリルフールのジェンダーレス「ネタ」で炎上

エイプリルフールに際して、はき違えたジェンダーネタをおこなったSNSアカウントに非難が殺到しました。

問題となったのは、あるご当地キャラクターの公式Twitterアカウントです。当該公式アカウントは、エイプリルフールに際して、アカウント名を「○○子」に変え、以下のようなツイートを行いました。

ちょっとわたし、今日から○○子になるわ!
これからは、ジェンダーレスの時代だもの!
○○子、ジェンダーレスでSDGsでエコでロハスなリモートキャリアウーマンになるのがユメなの!
みんな、おうえんしてね!

実際のツイートより引用

このツイートに対して反応したのが、SNS上の女性たちです。

  • エイプリルフールの嘘として「ジェンダーレス」や「SDGs」という言葉を用いるのは笑えない。
  • 当事者には笑えないネタで侮辱をおこなうなんて最低
  • 「オカマキャラ」では笑えない時代になったんだよ

などの意見が殺到し、炎上状態となりました。炎上をうけた公式Twitterアカウントは、翌日の4月2日に問題の投稿を削除しました。削除や批判に関する公式での謝罪文や見解は一切発表されていません。また、問題の投稿をリツイートして批判したユーザーをブロックするなど、反省が見られない態度も話題となりました。

問題となった「SOGIハラスメント」とは?

SOGIハラスメントという言葉を、みなさんはご存じでしょうか?通称「SOGIハラ」「ソジハラ」と略される人権用語の一つで、性的指向や性自認に関連した差別的な言動や嘲笑、いじめなどの精神的・肉体的な嫌がらせを総称して指す言葉です。SO(Sexual Orientation)・GI(Gender Identity)の頭文字をとってSOGIハラスメントと称されています。

SOGIハラスメントには5つのタイプがあります。

イジメ・無視・暴力によるSOGIハラスメント

《例》
「あいつ、ゲイらしいから気持ち悪いし無視しようよ!」
「 LGBTQには痛い目にあってもらおう!」

差別的な言動や呼称によるSOGIハラスメント

《例》
「オカマって気持ち悪いよね。」
「レズなんて人間じゃない。」

だれかのSOGIについて許可なく公表するSOGIハラスメント

《例》
「こいつ、ホモなんだってさ!」
「レズだって周りにバラされたくなかったら、言うことを聞くんだ」

不当な異動や解雇、学業に関する強制によるSOGIハラスメント

《例》
「男なのに女子の制服を着るなんてけしからん!君は退学だ!」
「男なのに化粧をしているなんて、気持ちが悪いから君は異動してくれよな。」

望まない性別での生活の強要によるSOGIハラスメント

《例》
「あなたは女なんだから、女らしくスカートをはきなさい!」
「男なんだから、キャバクラぐらい行こうよ!」

SOGIハラスメントで炎上しないために

では、SOGIハラスメントで炎上しないためにも、企業や学校などの組織はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?

教育にジェンダーやセクシュアリティの内容を落とし込む

最近になって、SNSリスクやコンプライアンス研修など、企業の研修は多様化の傾向にありますが、その人の根本を司る人格や教養といった社内教育はまだまだ発展途上にあります。特に、ジェンダーやセクシュアリティなどデリケートな問題は、従来の日本という社会が性的なものやデリケートな話題を避ける傾向があったこともあり、未だに教育制度が整っていないのが現状です。

ですが、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンがおこなった 「性別にとらわれず自由に生きるために~日本の高校生のジェンダー・ステレオタイプ意識調査~」 のレポートによると、昨今の若い世代(高校生)の約7割がジェンダー・ステレオタイプは自分の可能性を狭めていると感じており、日本社会の現実と若い世代の理想との間に大きなギャップが出来ていることが伺えます。

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン『 性別にとらわれず自由に生きるために
~日本の高校生のジェンダー・ステレオタイプ意識調査~』より抜粋

このような状況において、ジェンダーやセクシュアリティの教育体制整備は急務であると言えるでしょう。特に教育が必要な世代は50代~60代の男性であると言われています。また、女性も年代が高いほど性別役割意識が強いことが調査データから明らかになっており、入社時の新入社員教育のみならず、中堅層や経営層の社員に対しても、積極的に教育をおこなっていく必要があると言えるでしょう。

運動部コーチが生徒に暴力を振るい炎上

ある私立高校の運動部にて、コーチが部員に暴力を振るう動画が流出し炎上しています。問題となったのは、熊本県にある創立100周年も近い由緒ある私立高校のサッカー部です。それでは、下の図で経緯を確認していきましょう。

この事件を受けた学校側は、生徒たちに対して「SNSリテラシー研修」を改めて開催しますが、「問題の根本は生徒のリテラシーではなく、学校の体制ではないか。」と指摘されるなど、その後の対応に関しても物議をかもしています。

動画によってエビデンスを残すことの重要さ

今回の事件は、生徒が実際の暴行動画をSNS上に投稿したことで明らかになりました。これによって、今や誰もが所有しているスマートフォンでエビデンスを残すことの有用性が認知されるようになりました。

イジメや暴力・ストーカー・詐欺など、これまでエビデンスが無いという理由で、訴えが退けられてしまう犯罪例が多くありました。しかし、近年のスクリーンショット機能や録音・録画機能の拡充により、そういったイジメや犯罪行為が明るみになるケースが徐々に増えつつあります。このように、自衛として「何かあったら証拠を残す」ということを、自身のみならず教育面でも徹底していく必要性があると言えるでしょう。特に注意してとりくみたいのは、以下の3点です。

  • イジメ・脅迫・誹謗中傷などのメッセージはスクリーンショットを残しておく
  • 自身が巻き込まれそうな事件が発生した場合は、証拠として動画を撮影しておく
  • イジメ・暴力などが発生した直後の様子は、証拠として写真におさめておく

イジメ・暴力・誹謗中傷・冤罪などが発生した際に、最も自身の味方になってくれるものはエビデンスレベルの高い証拠です。自分の身を守るためにも、常日頃から意識して取り組んでいきましょう。

4月の炎上【傾向と分析】

近年まれにみる炎上件数をたたき出した2022年4月ですが、内容は昨年に引き続き「ジェンダー」が多くみられました。一方で、今年1月から世界中が注目しているウクライナ侵攻などの時事的な炎上は、一旦落ち着いた印象があります。

大きな炎上事件となった運動部コーチが生徒に暴力を振るい炎上した事例など、今話題となっているのは 「体育会系」に代表されるような、現代社会に蔓延る古い体制の打破です。先述した事例の他にも、野球の試合中に審判がとった態度が批判される事例が話題になりましたね。体育会系の部活動やスポーツチームなどは独特な環境づくりから結束が生まれやすく、社会に出てもいわゆる「体育会系のノリ」が強いという傾向がありました。ところが、平成後期~令和を境に社会での風潮は変わりつつあります。特に、体育会系の企業にて社員(特に若手)が自死を選んでしまったという事件をうけた世間では、改めて体育会系という体制に対して「果たして現代の働き方にあった体制なのか」という疑問が生まれるようになり、過度な上下関係の強要など、これまで社会的に美徳と捉えられていた体育会系への印象が、マイナスに転じることとなりました。

これを踏まえて今後の情報発信で注意したいのは、自社において「良い」とされる風潮が果たして現代の社会に迎合しているのかを今一度再確認する必要があるということです。特に、社内で古くからある風習や暗黙の了解、社訓などは、第三者目線を通してチェックする必要があると言えるでしょう。自社に所属している限り、自身の考えている組織内の「普通」にはバイアス(偏見)がかかっていると考えられます。その状態で安易に情報発信をおこなうと、意図せず社会の流れに反する概念が付与されて批判されるなど、炎上に繋がりかねません。まずは、組織の「普通」を疑うことが大切です。

事例の分析で、炎上リスクのノウハウを蓄積

ジールコミュニケーションズが開催している無料のオンラインセミナーでは、今回ご紹介した炎上事例の他にも、様々な事例をさらに深掘りする形で解説しております。セミナー中の炎上事例解説では、データに基づいた炎上トレンドや、具体的に注意すべき投稿内容についてお伝えしております。

ぜひ、弊社セミナーにご参加の上、今後のSNSリスク対策にお役立ていただければ幸いです。

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