炎上事例をもとに、原因と対策について紹介します。今回は不快な演出のCMがネットで炎上したケースを解説します。ネットでは、炎上した企業の誹謗中傷が書き込まれ、イメージの低下につながっています。
同じような炎上にあわないためにも、原因と対策について知っていきましょう!
「保険」といい男性を捨てる女性のCMが炎上
某保険会社のCMに不愉快な表現があるとして、ネットで炎上になっています。CMは主人公の女性が、パートナーである男性Aと結婚にいたるまでのストーリー仕立てになっています。一見幸せそうな内容のCMに見えますが、なんと最後に主人公の女性は二股をかけていたことがわかるのです。男性Aが主人公の女性にプロポーズをしていると、もう1人の男性Bがやってきて「俺はお前のなんだったんだ!」と悲痛に訴えます。すると主人公の女性は男性Bに、冷たく「保険」と言い放ち「幸せには、きっと保険が必要だ」とテロップがでてCMは終わります。このCMの演出にネットでは、
「『保険』ってのは、人の気持ちを踏みにじるものなのかな?このCMを見る度にそう思ってしまう」
「このCM、心底反吐が出るくらい嫌い。あれはなんだ、女性から見れば面白いものなのか」
などと、男性を中心に怒りや戸惑いの声が、ネット上に多く投稿され、炎上になっています。
炎上した2つの原因とは?
原因1:男性軽視な表現があったから
男性が一方的に不幸になる演出に「不愉快である」という意見が多くありました。また、1人の男性が不幸になっているにもかかわらず、コミカルにストーリーが展開する演出にネットでは、
「男女逆転したCMだったらもっとすごい抗議がおきただろう」
「男が蔑ろにされて笑いになる時代なら結婚率も下がりますよね」
などと、社会問題の核心を突くような意見がネット上に多く投稿されています。また、男性軽視だという声もあり、男性を中心に怒りの声が上がっています。
原因2:不愉快な行為を助長する表現があったから
CMの最後に「幸せには、きっと保険が必要だ」と出ることから、不愉快な行為を助長していると指摘がありました。つまり、CMの演出上”二股は、幸せのためなら仕方ない”といった「二股の肯定」に疑問を感じているということです。二股をかける行為自体は、法律上の規制はなく違法ではないですが、一般的な倫理観に反しています。そういった行為を助長する表現があったため、多くの人から反感を買ったのではないでしょうか。
表現の自由≠不愉快な演出
今回の炎上だけではなく、2013年ごろからCMを含む「広告の不適切表現」が原因の炎上が多くおきています。このような現状に対して、ネット上では
「表現の自由ではないのか?みんな過剰反応すぎる」
「笑えるしネタとして見られないのかな」
といった、炎上しているCMに肯定的な意見をする人も少なくありません。しかし表現の自由は、他人に迷惑をかけなければなんでも良いということではありません。表現の自由を理由に、不愉快な演出が許されるわけではないのです。
企業ができる対策とは?
視聴者によりそった広告作りを意識する
今回炎上したCMの内容はあくまでフィクションであるが、受け取り手が不快と感じるような賛否両論の表現は避けたほうがよかったでしょう。今回の炎上がおきてから某保険会社は、
「あくまで架空の物語(ドラマ)の中での役柄として設定されたある女性が、役柄として設定したある男性に対して言った台詞であり、現実社会の男性全般を対象にしたものではありません。CM上の演出です」
などとコメントをしています。しかし、残念ながら炎上後に「わからなかった」「間違いでした」というコメントを出しても怒っている人達を鎮めることは難しいです。まずは視聴者によりそったCM作りが大切です。
広告炎上の事例を多く知る
例えばCMやネット広告など、同じカテゴリーの炎上事例を多く知ることが重要です。炎上事例の原因と対策を多く知っておけば、あらかじめ起こりうる炎上リスクを総合的に回避することができるからです。炎上が起こってから鎮火させるよりも、炎上を予防するリスク回避の知識をつければ、不備のあるコンテンツを市場に出回る前に見つけることができます。
レピュ研では、日々の炎上分析とネットリスクの豊富な知識で、炎上のリスクマネジメントを行うことができます。SNSの使い方や、ネット上のお悩みなどあればぜひお気軽にご相談下さいね。