ネット炎上事例として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上の解説を行います。
6月炎上リサーチレポート
2017年5月のネット炎上件数は92件であり、2017年4月に比べて炎上数が減っています。5月で一番多かった内容は、エンタメ関係で22件(23.9%)でした。芸能人のテレビで不適切な発言をしたことが、SNS上で話題となり、炎上につながるものが多い印象でした。続いて一般個人関係が20件(21.7%)となりました。法人関係の炎上では、SNSを活用した宣伝広告に不愉快な内容があるとして、消費者からの苦情が殺到し、炎上する事例がありました。
2017年5月にピックアップする炎上は、マスコミとタレントの衝突事件がタレントのファンの怒りに触れ炎上になった事例です。さらに、その事件の感想をテレビで発言した別のタレントも炎上してしてしまったのです。1つの事件が、違う方向で2度炎上する珍しいものでした。5月は、エンタメの炎上が多くあった印象です。中でも、テレビメディアでの発言が人々の反感を買いネットで炎上するものが多くありました。また最近では「テレビを見ながらネットに感想を書き込み、多くの人と共有する」という行動が頻繁にあることがわかりました。
6月炎上事例ピックアップ
幸せなはずの結婚報告が一転してしまう
有名人同士の結婚披露パーティーに詰めかけた報道陣らが、終宴後の二人を取り囲み、無理に取材を試みたところ、夫に報道陣の機材がぶつかり負傷させるアクシデントが起きました。その後妻がTwitterに、
「人生で大切なこの日、笑顔で終わりたかったです。」
と書き込み、一連の事件を悲しみとともにファンに報告したところ、ファンからは、
「迷惑かけてまで、報道してほしくないです!」
「なぜ幸せな日にわざわざ嫌な記憶を作ろうとするの?マスコミ本当に嫌い!」
などと、マスコミへ批判の声が寄せられ、ネットでは炎上になってしまいました。
的外れな「マスコミ擁護発言」に避難の声!
ネットで話題となったことで、事件はテレビニュースに連日大きく取り上げられました。そして、ある番組内でこのニュースに関してコメントを求められたタレントFさんが
「有名人なのだから、しかたない部分もある」
と発言し、その発言がSNS上でファンの怒りを買い、
「しかたないってどうなのかな?やっていい事と悪い事の話しをしているのだけど?」
「有名人だったら何されてもいいのか?」
などと、Fさんへの批判の声がネットに上がり、炎上になってしまいました。
幸せなできごとの最中に起きた不慮の事故で、取材するマスコミ側に配慮不足があったのは否めません。加害者であるマスコミに対して、反感を持つ人が多くいたのでしょう。その中で少数派意見である、マスコミを擁護する考え方は、マスコミに反感をもっている人たちにとっては受け入れし難い考え方だったのかもしれません。
少数派の意見を公の場で発言するときは
今回の炎上は、価値観の違いによる少数派意見への反発により起きてしまったと言えます。人それぞれ価値観が違うため、どんな議題にも賛成派と反対派がいます。多数派と少数派の意見が違えば違うほど、両者の溝は深まってしまい、時には攻撃的になってしまうこともあるものです。
公の場であるマスメディアや、不特定多数の人がみているSNSでは、少数派の意見を発言するのは控えたほうが炎上を回避できるかもしれませんね。
ただし、マイノリティ・インフルエンスという言葉があるように、少数派の意見を一貫して主張し続けることで、多数派の意見が揺らぎ、判断に変化が生じることもあります。「マスメディアやSNS上での発言は、不特定多数の人が見ているところだ」という意識を持ち、少数派であっても多数派であっても、責任をもって発言することが大事ですね。
■炎上が起こるのメカニズムについて詳しく解説しています。
>ネット炎上のメカニズムと2017年炎上事例5パターン
■SNSで炎上してしまった対処とは?
>SNS炎上の流れと炎上したあとの3つの対策方法
■炎上に参加する人たちの正体を詳しく分析しています。
>炎上に参加する人たちの正体とは?行動パターンと心理