ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
12月炎上リサーチレポート
2018年11月のネット炎上件数は63件でした。2018年11月で多かったのはエンタメ関係であり、25件もの炎上が起きていました。
今月のエンタメ関係炎上事例では、SNSに投稿された記事の画像や発言に批判的な声が集まり炎上したケースが多かったです。また、法人関係の炎上も多くあり、顧客対応や宣伝方法に不満を抱えたユーザーから意見が集まったため炎上したケースが多くありました。
今回のピックアップ炎上は、法人関係の炎上事例からご紹介します。自社のサービスを宣伝する際に、他社のサービスを印象悪く紹介したとして炎上した事例です。
自社の宣伝のために他社のイメージを悪くしたとして炎上
企業Dの作成した、自社サービスを宣伝する記事が炎上しました。クレジットカードの広告として作成された記事の内容が、他社のイメージダウンにつながっているのではないかと指摘するユーザーが多くいたためです。秘書たちが、持っているクレジットカードによって男性の印象が異なるという内容の話をしている様子が記事になっていました。その中で、他社のクレジットカードを批判したうえで、企業Dのクレジットカードを称賛している点に、ユーザーから多くの批判が集まりました。記事の内容には、
「男性が(他社のクレジットカード)で支払っていた時は、気まずく感じてしまって、カードを見ないふりをした」
「(企業Dのクレジットカード)を使っていたら信頼できる人という感じがするかも」
「(企業Dのクレジットカードは)やっぱり他のカードとはちょっと違うかな」
など、他社のクレジットカードを使用しているユーザーの印象を悪くしていると、記事を読んだユーザーが思うような文章だったため、炎上につながりました。
宣伝のためだったはずが逆効果に
自社のサービスを利用してほしいと記事を作成しましたが、その記事を読んだユーザーから批判的な意見が集まり、逆効果になってしまいました。実際に記事を読んだユーザーからは、
「他のカードの下げになってる」
「ここまで他社ユーザーこき下ろすなんてな」
「完全に逆効果ですね」
など、他社のイメージダウンなのではないか、宣伝なのに自社のイメージダウンにもつながっているのではないか、と疑問をもつユーザーが多くいました。
謝罪内容にも批判が集まる
謝罪文で責任転嫁していると感じたユーザーが多く、二次炎上につながりました。謝罪文の、「記事の内容は任せていた」「記事内での会話は実際に出た内容であり、指示ではない」という部分を読み、ユーザーは「企業Dが責任転嫁をしている」という感じたようです。ユーザーからは
「責任転嫁にもほどがある」
「完全に責任逃れしてるじゃん」
など、謝罪しているのか読み取れないとするユーザーが多くいました。特に、記事内の会話はすべて秘書たちの本音であり、自社からの指示ではないと謝罪文に記載している点に批判的な声が集まりました。
企業としてできる対策
今回は、自社の宣伝のために他社を悪くしていると受け取られ、炎上につながりました。自社サービスの宣伝をする際は、売り出したいポイントや、ユーザーが興味を持ちそうな宣伝方法を実施することが効果的でしょう。他社と比較し、自社のサービスの方が優れていると宣伝することを良く思わないユーザーが多いためです。自社のサービスや提供商品の良さを宣伝する際には、企業イメージやユーザーのニーズに合った内容にすることが重要です。また、謝罪文内では「自社の指示ではない」などの、責任転嫁ととらえられる表現はしないことが大切でしょう。