ネット炎上として判別したものを毎月リサーチ後分析し、レポートとして配信していきます。
弊社が独自に設定した条件にて情報を算出し、カテゴリー別の件数推移と、特徴的な炎上について解説を行います。
4月の炎上リサーチレポート
2021年4月のネット炎上件数は30件でした。2021年に入ってから最も多く炎上が発生した月となってしまいましたが、中でも一般個人の事例が多く、13件もの炎上が発生しています。 内容としては間違った情報の発信・拡散や、投稿した動画内での不謹慎な行動等が批判されたことが原因で炎上した事例が目立ちました。
また、その他の事例ではメディアに関するものが多く、記事内で使用された言葉が不適切だという批判や、TV番組で誤った情報を発信したことを指摘されたことなどが原因となっています。
法人・個人共に、発信した情報の真偽や正当性などが論点となった事例が多い1か月となりました。
素手でトイレ掃除をする動画に批判殺到
4月中旬、ある制作会社が自社公式Instagramアカウントにトイレ掃除の様子を投稿しました。動画では、社員が素手でトイレ掃除を行う様子が撮影されており、素手で掃除をするのは「花嫁修業」だという旨の文章が添えられていました。
この動画に対して
「衛生的にも手袋を着用すべきでは?」
「パワハラ、いじめとしか思えない」
「素手でトイレ掃除するのが花嫁修行?」
など、感染症対策が不十分という指摘や、花嫁修業という表現に疑問を持つユーザーが多くいました。動画が拡散されるにつれ批判意見も多くなり、炎上状態となってしまった事例です。
その後企業としての意図を公表するも批判が集まる
動画の拡散やユーザーからの批判を受け、制作会社の社長は動画内容に関して、次のような見解を発表しました。
・素手でのトイレ掃除は社長のみで社員に強制はしていない
・花嫁修業という表現は社員から出てきたもの
その後「心を痛めている社員に迷惑がかかる」として該当動画を削除しています。しかし、これらの説明がされてからも「時代錯誤だと思う」「このご時世(コロナ禍)だという事も考慮出来ないのか」などの意見が続き、炎上の収束には時間がかかってしまいました。
情報の発信前に多角的視点から確認が必要
今回は、企業の公式SNSに投稿した動画内容に批判的な意見が集まり炎上となりましたが、「素手でのトイレ掃除」を推奨したことに賛否両論が集まった事例は過去にも企業、学校で発生しています。どの事例でも、衛生観念を疑問視する声やパワハラ・いじめではないかという声が多く上がっています。
自社内では当たり前とされていたり、社員が納得して行ったりしていることでも、SNSという不特定多数のユーザーが目にする場で発信する情報として適切かどうか、情報発信前に多角的な視点から確認する必要があります。
またこの事例に関しては、過去に類似の事例が発生していたと知っていれば防ぐことができたものでした。炎上をはじめとするSNS上でのリスクを防ぐ上では、過去の炎上事例や自社にまつわる情報のリサーチもとても重要となります。ぜひ自社内での情報の収集、リサーチができる体制が整っているかこの機会に見直して見ましょう。